【福祉大国が注目する文化】日本の接遇・食事・お風呂文化を追求する舞浜倶楽部がすごい

スウェーデン , インタビュー , 外山義 , シルヴィアホーム
Line button
2014.08.18
株式会社 舞浜倶楽部 代表取締役 グスタフ・ストランデルさん
スウェーデン福祉研究所所長、株式会社 日本スウェーデン福祉研究所 取締役を勤め、現在株式会社 舞浜倶楽部で有料老人ホームの運営を行っている。日本とスウェーデンの介護福祉に最も精通しているグスタフさんに、日本とスウェーデンの介護の現状、未来を聞いた。

日本で尊敬する先生に出会い、介護に興味を持った

ー日本に来た理由は何ですか?ー
今のスウェーデンの子供達は”日本”と聞くと、アニメ・漫画とすぐに思い浮かぶけど、僕らの頃はそうじゃなかった。すごく神秘的なイメージがあって、剣道とか柔道とか空手等、武術のイメージが強かった。僕は子供の頃に剣道をやっていたので、それがきっかけで日本を知ったんだよ。それから日本に興味を持って、大学の交換留学制度で日本に来たのが最初の訪日。

ー当時から介護に興味を持っていたんですか?ー
違うよ(笑)むしろ、日本に来てから初めてスウェーデンが福祉先進国だって知ったんだよ。スウェーデンで生まれ育っていると、その辺はわかんないんだよね。しかも日本の方々は、とにかく「スウェーデンの介護福祉がすごい!」と言ってた。ちょうどこの頃介護保険が制定される前で、介護関連の方々がスウェーデン・デンマークに視察に行ってたピークだったかな。なので、日本に来て母国が福祉大国だと知って、介護に興味を持ち始めたんだよ。

ーそれから介護について勉強したんですか?ー
そう。その時初めて北海道の介護施設を見学しに行った。それからしばらくして、当時よく通ってたスウェーデン料理屋のオーナーがある日「介護で有名な先生が来てるから、挨拶する?」と言ってきて挨拶した方が外山義さんだった。当時、介護に一番詳しい専門家だったんじゃないかな。

ー外山さんってどんな方?ー
元々建築家なんだけど、『クリッパンの老人たち-スウェーデンの高齢者ケア』(ドメス出版)という本を書いていて、これがすごい。外山さんはスウェーデンに移住して5年くらい現地の施設を見て回ったんだよ。それこそ、精神病棟みたいな施設から地域密着の在宅、グループホームまで、色々な施設での暮らしぶりを研究調査してた。その後日本に戻って、1999年のゴールドプラン21策定に貢献した人なんだよ。

ー外山さんとの出会いが介護の道に進むきっかけに?ー
98年1月に外山さんの自宅があった仙台に呼ばれて話をした時、自分の人生が決まりましたね。(笑)ただ話をしただけじゃなくて、色々な方を紹介してくれたりしたんだよね。また、交換留学の期間が終わってスウェーデンに帰国してから外山さんが招待状をくれた。これで、日本で高齢者施設の勉強をするためにスウェーデンから奨学金を貰って日本に再び戻ってこれた。この頃から、介護福祉に関わる研修の実施等でスウェーデン大使館と関わるようになった。

日本スウェーデン福祉研究所の設立、舞浜倶楽部との出会い

ー就職はスウェーデンでしたんですか?ー
2000年の6月、日本に一ヶ月間就職活動しに来たんです。スウェーデンで日本に関わる仕事は選べたと思うんですが、僕は日本で働きたかった。でも、ビザもないし経験も無いから僕を受け入れてくれる所はなくて、、、全然介護に関係無い会社に就職したんだよ(笑)そこで約2年働いて、2002年にスウェーデン大使館から「スウェーデンの福祉研究所を作るから、来てください」と声を掛けられました。

ースウェーデン福祉研究所でどんな事してたんですか?ー
最初は僕一人で、業務は視察や研修事業が中心でした。この視察、学会とか勉強会とかを実施するんですが、日本の方々が必ず感動していたのがシルヴィアホームという所でした。ここはシルヴィアシスターと呼ばれる認知症ケアのスペシャリストを養成していて、この方々が認知症緩和ケア、タクティールケアを行っています。今では日本でもシルヴィアホーム認定インストラクターという民間の資格があります。視察以外は、介護関連の研修事業が多かった。それで、当時一番熱心だったお客様が舞浜倶楽部だった。研修、タクティール、ブンネ等、様々なものを実施導入頂き、すごく協力してくれた。だから、今の舞浜倶楽部のユニーク性はスウェーデン福祉研究所と共に歩み、作り上げてきたものなんだよ。

ーどのようにして舞浜倶楽部の社長に?ー
ある日、一番仲の良かったお客様に「グスタフさん、日本で施設を運営した経験無いのに色々講演してるけど、実際どれくらいやれるんですかね」って言われたんです(笑)でも、その通りだよね。いくらセミナーとか研修でこうやったらいいよ。って言ってても、結局自分はやってないんだから。そしたら舞浜倶楽部のオーナーが、じゃーうちに来てやりなよ。と。うちに来てやりたい事をやりなさいって。それで、2009年の1月から舞浜倶楽部の総支配人をやって、震災を乗り越えて2012年から現職に就いています。

舞浜倶楽部のユニーク性とは

ー舞浜倶楽部の特徴を教えてくださいー
ユニーク性というのはあまり自分から言いたくないけど(笑)教えられる(それだけスキルを持った)人がいる事が一番じゃないかな。例えば、施設長・課長・主任はコンタクトパーソン制度をスウェーデンの自治体で経験している。タクティールケアのインストラクターは2名いて、ブンネメソッドのインストラクターは3名。それと、僕の生まれ育ちが日本じゃないからこそ知っている、日本独自のユニーク性は大切にしています。それは、接遇・食事・入浴。特に入浴の文化はすばらしい。体を洗うだけではなく、一日の疲れを落とし、自分に対するご褒美のような感じ。この貴重な入浴の文化は高齢者や要介護者であってもできるべきですね。食事も委託せず、自分たちで作っています。日本の和食を一番大事にしている施設です!っていうくらいの勢いでやってるよ。日本の老舗料亭から料理長をハンティングして(笑)最後に接遇ね。今でいう”おもてなし”。日本人は距離感を作らないのに丁寧に接することができる。これはすごい技術だと思います。欧米は”丁寧 = 冷たい”なんだよ。日本は”親しくて丁寧”だよね。これがすばらしい。介護の現場も当然そうあるべきだと思っているので、接遇の教育をするために、航空会社のOBに入社頂き、指導を徹底しています。

最後に、介護業界を目指す若者に向けられた熱いメッセージをご覧下さい




いかがでしたでしょうか。福祉先進国と呼ばれるスウェーデンで生まれ育ち、学んできたグスタフさんがなぜ福祉の実践の場としてこの日本を選んだのか?そこにはすでに大きなヒントが隠されていると思うのです。学び、受信するのも大切ですが、そろそろ日本の介護福祉を外に発信していくべき時がきたのではないでしょうか?
と思ったら、友だちに共有しよう。
介護のほんねニュースをフォローする 

関連施設

0.0
0件
入居費用-
月額費用-
入居条件
住所-

関連リンク

Facebookコメント

寄稿者

編集者画像

岡勇樹(NPO法人Ubdobe代表理事)

介護のほんねニュース初代編集長。1981年 東京生まれ。3歳〜11歳までアメリカ・カリフォルニア州で生活。27歳で高齢者介護と障がい者支援の仕事を始め、29歳で医療福祉・音楽・アートを融合させた「NPO法人Ubdobe」を設立。近年は厚生労働省 介護人材確保地域戦略会議の有識者やNHK出演など多岐に渡る活動を展開中。(http://ubdobe.jp)