出口の見えない介護
介護は一度始まるとなかなか出口が見えないもの。介護に追われる日々を送っていると、ときどき何ともいえない気持ちに襲われることがあります。そんなとき、介護者は抱いている悩みをどうしているのでしょう。ちょっと考えてみたいと思います。
遠く離れていても、支えになってくれた身内
ヤングケアラーとして介護のほんねニュースのインタビューを受けてくださった福永陽子さん。23歳という若さで認知症のおばあさまの介護を経験されました。介護が始まった当初は、介護や認知症の知識もなにもないまま、目の前にあることをとりあえずこなす日々を送られていました。
インタビューの中で、「つらさを吐き出す場所があった」ことが介護を続けるチカラになったと話されています。遠くに住んでいるお姉さまは当時一番の話し相手。家族だからこそ、あまり深刻にならずに笑って切り返してくださったそうです。そして家族のことだからこそ、長時間でも介護の不安を真剣に聞いてくださったということでした。
福祉の専門家でも自分が介護するとなると不安になる
一方、介護のほんねニュースに寄稿いただいている佐久間理央さんは、30歳のときにお父さまの介護が始まりました。ご自身もお母さまも福祉の専門家だったため、介護に関する知識や情報であれば、ほとんど困ることがなかったそうです。周りも介護や福祉の専門家ぞろいという恵まれた環境。にもかかわらず、「どうしても猛烈に愚痴りたいというか、怒りを吐き出したい、むなしいような出口の見えない恐怖にとらわれること」があったんだそうです。
知識や情報を詳しく持っていたとしても、悩みを吐き出せる相手がいないということは、つらいものなのですね。
介護者の気持ちに寄り添うサポートとは?
自治体でも、介護者の抱える悩みを、少しでも取り除こうという取り組みが始まっています。たとえば地域包括支援センターと協働して作る、「家族会」や「介護者の会」といった介護者が集えるコミュニティー。また、介護を受ける方を連れ立っていても気軽に立ち寄れる、コミュニティカフェもできはじめています。外出が難しい方向けに、電話相談を行っている自治体もあります。
悩みを聞くだけでも力になれる
介護者の身近なところに悩みを打ち明けられる存在がいると、心強いものです。家族や友人など、あなたの周りに介護の悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?遠く離れて暮らしていても、悩みを聞くことで介護者の力になれることもあるんですよ。
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この記事の寄稿者
もなか
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。