高齢者虐待防止のプロが提案する「緊急!『よりよい老人ホームの選び方5か条』」

施設の選び方 , 親の介護 , 介護施設 , 虐待 , 老人ホーム , 高齢者虐待
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2016.03.24
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緊急!「よりよい老人ホームの選び方5か条」

みなさんこんにちは、NPO法人となりのかいご代表の川内潤です。私たちのNPOでは「家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ虐待してしまう家族を支える」をミッションに、高齢者虐待防止のためのセミナーを運営したり、家族介護者の悩みを聞き出すワークショップを行ったりしています。
神奈川県川崎市で起きた「老人ホーム連続転落死事件」が新聞やテレビなどで大きく報道されたことをきっかけに、「どうしたら信頼できる老人ホームを選ぶことができるのだろうか?」という声を聞く機会が増えてきております。このような事件が起きたあとでも不安なく誰もが信頼できる老人ホームと出会うことができるように、私たちNPO法人となりのかいごでは「緊急!『よりよい老人ホームの選び方5か条』」を作成いたしました。

こちらの5か条は、家族の在宅介護に限界を感じている人や家族が病院から退院させられても自宅介護ができない人が老人ホームを選ぶ時、どんなことに注意したらいいかをまとめた内容になっております。

1) すぐ入居できます、は疑おう。

一生懸命運営している老人ホームは、今すぐ入居できますとは言えません。その人が感染症を持っているかもしれないし、ケアすることができない精神疾患があるかもしれない。健全な老人ホームなら、まず本人に会い、日々の生活のことなどの会話をした上で入居の判断をします。病院に入院していた人や通院していた人なら、病院からの情報を手に入れようとします。お薬手帳なども見ます。残り一室です、今すぐなら入れます、などという言葉は疑いましょう。

2) 家族が昼食を食べに行こう。

ケアスタッフがいちばん忙しいのは昼食の時間です。だから介護の実力がよく見えます。ポイントは、入居者を席に座らせてから、食事がでるまでずっと待たせていないか、乱暴な言葉使いで接していないか、など。見学に行ったら入居者と同じフロアで実際にお昼ごはんを食べてみましょう。それをさせてくれるところは自信があるところです。おいしいかどうか、の判断も大事、豪華である必要はありません。食事については行政の指導があるわけじゃないので差が出やすいです。いい老人ホームにしたいと思う人は食事を大事にします。

3) 職員の離職率を調べよう。

厚労省の「介護サービス情報公表システム」で、その老人ホームのさまざまな情報を見ることができます(困ったことにとても見にくいので、「となりのかいご」のホームページに調べ方を載せました)。いちばん重要なのは、職員の離職率です。平均は16.5%です(平成25年介護労働安定センター)。離職率が45%を超えると、いい職場環境とは言いにくいです。介護のノウハウは人に蓄積されるから、長期間そこで働いている人が多いほど介護の質が高いと想定されます

4) 月額料金は総額を聞こう。

老人ホームの料金にはホテルコストと呼ばれる、家賃、食事代などの他に、介護保険の自己負担分、オムツなどの備品代などがかかります。親切な老人ホームは最初から総額を教えてくれますが、中にはホテルコストだけを伝えるところもあり、総額とかなり乖離することがあるので気をつけましょう。

5) 看取りケアをやっているか聞いてみよう。

看取りケアをやるには医療、介護の体制を充実させる必要があります。また相談員と家族との強い信頼関係がなければできません。看取りケアはお金儲けを目指しているところはやらないので、看取りケアをちゃんとやっているところはかなり信用できます。看取りをした際の具体的なストーリーを聞いてみるとその老人ホームの真剣さを知ることができると思います。

こちらの5か条は、一つを聞くとたくさんの情報を聞き出すことができるよう工夫しており、効率的に複数のホームを見学するときには便利に活用することができます。また、短い時間で本質的な内容に迫ることができる内容となっております。
多くの老人ホームではさまざまな努力をしてしっかりと介護をしていますが、残念ながら一部では悲しい事件・事故が起きています。「家族だけでがんばらずに、老人ホームに任せて本当によかった」と思える老人ホームと出会えるよう、この5か条を活用してください!

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寄稿者

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川内潤(NPO法人となりのかいご代表)

1980年生まれ。介護事業を展開する父と看護師・ケアマネージャーの母を持つ。高校2年の時のケガによる車椅子生活から、介護業界を志し、上智大学社会福祉学科に入学。在学中より老人ホーム紹介事業立ち上げに参画。外資系コンサルを経て、介護職員を経験後、高齢者虐待防止をミッションとしたNPO法人となりのかいごを設立、代表理事に就任。社会福祉、介護福祉士、ケアマネージャー。