呼び寄せ症候群が危ない!

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2014.12.23
呼び寄せ症候群が危ない 呼び寄せ症候群という言葉をご存じでしょうか。

呼び寄せ症候群とは?

田舎に住んでいる高齢の親御さんを、子どもが自分の自宅や近所に呼び寄せる。
それが逆効果になり、認知症が進んでしまったり体が弱ってしまうことです。

なぜ、親を思って近くに呼ぶのに、逆効果が生まれてしまうのでしょうか?

それは社会的なつながりの分断とストレスが原因です。
今までの交流関係が一気になくなります。新しい場所で友人関係を作るのは大変です。
しかも今までの自然豊かな場所から、せまくるしい、空気の汚い場所への移動。
買い物一つ行くのにも苦労します。
それで生活自体に消極的になってしまい、家に閉じこもることになってしまう。

つまり、元気に暮らすために一番必要な、「前向きに、社会に出ようとするこころ」が折られてしまうのです。

「呼び寄せ症候群」というタイトルのブログを拝見してこの問題に気が付きました。
北海道でクリニックを運営されている先生のブログです。

親切心があだになる?

難しい問題です。
子どもからすれば良かれと思ってやったことなのに、親御さんを結果として苦しめる結果になってしまう。

もちろん、呼び寄せをしなければ不安だから呼ぶのですし、不自由がおおくあるのでしょう。
実際に何かあっても駆けつけることができない。
いたし方ない面も勿論ありますし、呼び寄せた方が元気で暮らせる場合も多くあります。

それでも、親御さんの立場から見てみれば、こちらの気持ちを考えずに一方的に呼び寄せられてしまう、というケースが多くあるのだろうと思います。

子どもから見れば、安全で、自分がいてあげることが親にとっても一番必要なことだ、と考える。
しかし親からすれば、子どもにはできるだけ頼りたくないと思っているし、多少の不便や危険性があったとしても、住み慣れた家と地域で暮らしていきたいと考えている。

背景には、そうしたお互いの気持ちが伝わっていないことがあるのではないでしょうか。

いつまでも住み慣れた場所に住みたい親心

実際、高齢者向けにサービスを提供する中で強く感じるのは、「今まで住み慣れたこの家にこれからも住みたい」という高齢者の方の強いお気持ちです。

内閣府が平成22年に行った「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果」の中に以下の質問があります。
自分の身体が虚弱化したときに住まいをどのようにしたいと思うか(複数回答)
これに対して、以下のような回答となっています。 呼び寄せ症候群が危ない (高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果Q25回答結果を著者が抜粋・一部加工 単位%)

オレンジ色が今まで住んでいるところに住み続けたいという回答、青が施設に移るという回答、緑色が子供や親戚の家に移るです。
「自分の体が虚弱化しても」、今住んでいるところに住みたい方が圧倒的に多い。
子どもの家に移って良いと考えているのは、わずかに6%弱です。

「今まで慣れ親しんだ自宅や地域にいつづけたい」という欲求は、「長生きしたい」とか、「何かあっても安心なところに住みたい」という欲求を上回っている。
子ども世代としては、親世代にとってはそれが一般的だということを良く認識しておくべきでしょう。

本人の意思を尊重して決めるべき

私は、子供が親を呼び寄せることが、必ずしも悪いことだとは考えておりません。
状況は人それぞれであり、呼びよせる方が良い場合はもちろんあります。
無理に一人暮らしを続けることは、当然に緊急時の対応ができないリスクがあります。
一人暮らしであるが故に孤独・孤立が放置され、体調や精神に悪影響が起きることは誰にでもありえます。
特に男性など、気づかないうちに誰とも会話をしない状況が生まれることもあります。

重要なことは、まずご本人の希望を理解した上で、個別の事情に照らしたメリット・デメリットを比較すること。
その際にご本人の精神面への影響も考慮すること。
「本人の精神・健康それぞれを見て、家族や金銭面の制約も加味して、何がベストか」を決める。
決める際には改めて本人の意思も尊重する。
その上でその環境の中でサポートできることをしていくということではないかと考えます。

こころみは、離れて暮らす親子のコミュニケーションをサポートすることで、親子が本音を言いあえる環境を作るお手伝いをしています。
「呼び寄せ」に関しても、お互いのお気持ちを言い合うきっかけ作りとして、きっとお役立ちできると考えております。

この記事は株式会社こころみのブログを元に加筆・修正しております。
  • 「呼び寄せ症候群」

  • ― 株式会社こころみは、離れた親を持つお子様のため、見守りサービス「つながりプラス」を提供しております。
    http://tsunagariplus.cocolomi.net/
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    寄稿者

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    神山 晃男

    1978年生まれ 長野県伊那市出身
    慶応義塾大学法学部政治学科卒業。
    コンサルティング会社を経て、アドバンテッジパートナーズにて投資ファンド業務に従事。
    2013年に株式会社こころみを設立、一人暮らし高齢者向け会話型見守りサービス「つながりプラス」事業を展開。
    Twitterアカウントは、@akiokamiyama