Interview
今回は、新宿区にある酒井医療株式会社さんにお邪魔し、ポータブルトイレ「rooma」について、開発の経緯や想いを担当の浦野さんにお聞きしました。
介護が施設から在宅へと変わるなかで
【深澤】酒井医療さんといえば、まず介護浴槽やリハビリ機器が思い浮かびますよね。
【浦野】はい、そうですね。弊社は1881年に創業し、医療・介護福祉分野に向けてリハビリテー ション機器や介護浴槽、福祉機器などの研究・開発、そして製造から販売まで行っております。
【深澤】なんと、100年以上も続く長寿企業だったんですね!すごいですね。
【浦野】はい(笑)。その他にも、デイサービスやサービス付き高齢者向け住宅などの運営も行っていますよ。
【深澤】そうなんですね、それは意外でした。それで今回は、ポータブルトイレ「rooma」について、お聞きしたいのですが、どのような経緯で「rooma」が生まれたのですか?個人的に、とても興味があります。デザイン性が高いポータブルトイレが、ついに出てきたなという感じです。
【浦野】今後さらに、在宅介護への流れが推測され、在宅介護向け市場もますます重要視されるなか、弊社でも、リハビリのマシーンや介護浴槽だけではなく、在宅向けの製品も開発していこうとなりました。そこで、まずポータブルトイレを作ってみようという話が出ました。
【深澤】なぜポータブルトイレだったのですか?
【浦野】市場に出回っているポータブルトイレに2つの問題を感じていたからです。
【深澤】2つの問題とは?
ポータブルトイレは本人が欲しくて買うものではない
【浦野】まず一つに、見た目、デザインです。今出回っているポータブルトイレは、プラスチックか木目調のものが多数を占めています。もちろん、移乗や掃除のしやすさなど配慮して合理的に作られてはいますが、でも、それって使用する本人が、本当に納得しているものなのでしょうか。ポータブルトイレって本人がどうしても欲しくて買うものではないですよね。
【深澤】できれば隠しておきたいことですよね。人に見られたくないものです。
【浦野】「このポータブルトイレが部屋に欲しいな」「これを部屋で使いたい」という人は、ほぼゼロですよね。ADLの低下に伴って致しかたなく使うようになります。なのに、ほとんどのポータブルトイレが、トイレそのままのデザインで、使用する本人の自尊心に配慮されていないのが現状だと思います。
【深澤】うんうん。たしかに。
【浦野】いまどき、みなさんがお部屋に何を置かれるとしても、インテリア性を重視するのが普通だと思います。そこで、本人の自尊心を傷つけないようにするためには、ポータブルトイレがトイレには見えない、お部屋に合うように再設計する必要があるんじゃないかと考えました。そして、デザイン性を追求した結果、現在のソファ調に行き着きました。
【深澤】素敵なデザインだと思います。シンプルなのに、一見してトイレだとは思いません。
【浦野】これなら、お孫さんやお客さんが部屋に来たとしても、どこか別の部屋に隠したり、見えないようにカバーを掛ける必要もありません。ちょっと隅に避けておけば、トイレだなんて思いません。
【深澤】調和していますよね。それでは、もう一つの問題とは?
続きはこちら→「初雪をかく」酒井医療が生み出すまったく新しいポータブルトイレ
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