父の介護を10年間。私のカイゴ回顧録 ~介護にともなって起こりうること[後編]

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2016.06.29
親の介護の金銭問題

経済的困窮

親の介護が始まると、いろいろなことがその周りで起こります。今回は、経済的な面の影響についてまとめてみます。

介護にかかる費用は、介護保険だけで賄うのは難しい現状があります。利用したサービスの1割負担、医療費、食事代等の実費分、紙おむつ等の日用品、生活費、食費、交通費等様々な負担があります。親の年金だけでは足りなくなり、親や自分の貯金を切り崩していかざるを得ないこともあります。細かい出費も多く、気が付けば大きな金額になっているという状況も。

家族崩壊・金銭トラブル

立場が違う兄弟姉妹でもめることもあります。介護をした・しない、親の相続、介護によって起こる問題から、離婚や家族の縁が切れてしまう例も。肉親が故の感情や考えの違いがどうにもできないほど、こじれてしまう例も少なくありません。仲が良かった家族でも、面倒を見た、見てない、見させてくれない等、それぞれの思いもあり、複雑なものです。そしてそこにまた、お金の問題も絡んできます。

全くないか、有り余る資産がある、家族間でしっかりと話し合いができている等のケースでは起こらないこともありますが、実はかなり身近な問題です。介護している親の年金が少ない、土地や家はあるけれど現金がない、家族間で介護に関して不平不満がある、相続に関して納得していない等、きっかけは様々。それぞれに気持ちも、考えも、思惑もあるので、こじれると修復が難しい問題に発展してしまう等もよく聞く話です。

一見、お金の問題だけど…

一見、お金の問題ですが、そこには数十年にわたる家族としての歴史があり、一概にお金だけの問題でもないのではないと考えさせられます。自分が兄弟姉妹の一番上だから、親を最期まで看取って当然と思っている責任感の強い長子。一見ありがたいことですが、ほかの兄弟姉妹から見れば最期まで親を独占していると、感じていたというケースもありました。

高齢の親をほかの兄弟姉妹が田舎で介護をしていて、自分は週末のみ東京から遠距離介護で10年以上サポートし続けている方もいました。100歳を超えて認知症でしたが、週末しか来ない娘にはまだ在宅での生活が可能に見え、親も望んでいました。

けれど、ほかの兄弟姉妹に在宅での介護が限界を超えているので、施設を考えたいと言われ、親は望んでないと反対したら、自分は何もしないでどういうつもりだと非難を浴び、兄弟の仲がこじれてしまったというケースもあります。親の今後については考えていても、兄弟姉妹のことまでは考えられていなかったのです。

親が亡くなったとたんに財産分与について裁判を起こされたケースもあります。介護を全くしなかった兄弟から、遺産の分割がおかしいと裁判を起こされたのです。介護をしなかったのではなく、全く関与させてくれず、親のお金を不当に搾取していた、というのが介護をしなかった兄弟の言い分でした。見方が変われば感じ方も違うのです。

「いざという時」のために

介護という状況になったときのために、自分の人生と親や周りの兄弟姉妹等の人生を少し距離を取りながら考えておいた方がいいと思います。できること・できないこと、すること・しないことを人間関係や考え方も含め把握しておくことも、いざという時のためになります。そしてできるだけ最悪な状況を避けられる手段を模索しておくのは、いざという時のために役に立つと思います。

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    寄稿者

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    佐久間 理央

    POLE・STAR株式会社ディレクター
    大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
    私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
    主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。