親の生活、自分の生活 両方を大切にするために
前回に続き、介護離職。を避けるためのポイントを書かせていただきます。
5.兄弟姉妹や親戚などと介護・病気になったとき・死について話しあっておくこと
どのように看取りたいのか、介護が必要になったときには携われるのか、兄弟がいる場合はそれぞれの仕事の状況や子供たちの成長も含めて考えておくべきです。また、「施設は絶対に入れたくない」などと言い張る兄弟姉妹もいます。「なぜ施設に入れたくないのか」「その場合の費用はどのように負担するのか」といった現実的なことも含めて判断しなければなりません。感情論になりがちではありますが、少し客観的な判断も含めて、家族にとっての最良な方法を考えておくべきです。
6.親の死についてきちんと考えること
どんなに手厚い介護をしても、人には死が訪れます。どのようにその死を受け止めるのか、どうやって看取りたいのかを自分なりに考え、覚悟を決めておいた方が、その時に慌てずに済みます。
7.自分を含め介護に携わる人と経済状況について話しておくこと
介護に必死になるあまり、自分たちのお金の負担については頭が回りにくくなりがちです。親の資産状況と合わせて、自分や兄弟のお財布事情についてもオープンにして話し合うことは大切です。
8.しない・できないことを考えておくこと
大事な親のためできることすべてしてあげたい、と思う方も少なくはないと思います。しかし、時間も金銭面にも限りがあり、介護する側にも人生があります。50パーセント程度の介護をするつもりで完璧を目指さないことが、いつ終わるかわからない介護生活を続けるコツだと思います。
一番大切なことは…
何より大切なのは「介護のために仕事を辞めない!」という気持ちです。介護をしているときはいつ終わるかわからないと思っていても、介護が終わる時は必ず来ます。その時に親の介護だけが生きがいとなっていたら、仕事を辞めて親の年金や貯金で暮らしていたら、その先にある自分の未来が描けなくなってしまいます。いわゆる「介護ロス」にならないよう、自分にも人生があるという気持ちは忘れないでください。
この寄稿文は全2回の連載です。
この記事は、doppoの内容をアレンジしてお送りしています
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この記事の寄稿者
佐久間 理央
POLE・STAR株式会社ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。