寄稿

最新!訪問看護ステーションで人気の研修がこれ!

「OriHime eye(オリヒメ アイ)」は、パソコンや周辺機器を使用することで、介助者を必要とせず、視線での文字入力や入力した文字の読み上げ、メール、写真撮影が可能になった商品です。

文字盤

透明文字盤は意思の疎通がむずかしい⁉︎

みなさんは文字盤ってご存知ですか? 文字盤とは透明の板などに、ひらがななどの50音が表になっており、会話が困難な方などが意思伝達のために使用します。

たとえば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の場合、手足やのど、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていきます。それに合わせコミュニケーション手段も変化し、会話から筆談、ジェスチャー、そして最後まで残ると言われている「視線」を使い、透明文字盤にある文字を示すことで意思の疎通を図ります。

透明文字盤での文字の読み取り方法は、患者の視線と介助者の視線が透明文字盤を挟んで一直線になったとき、介助者がその視線と交わる透明文字盤の文字を察知し読み取ります。

しかし、この透明文字盤を使った意思疎通がなかなか難しいのです。一文字一文字拾っていくため、単語・文章になるまでに時間がかかります。文字を間違って読み取ってしまうことも少なくありません。

上達するまでには、患者と介助者の双方で、多くの練習が必要です。また、せっかく練習しても、介助者が変わってしまえば、息も合わなくなってしまい、意思の疎通が再び困難になってしまいます。

もう介助者はいらない? 新しい透明文字盤!

OriHime eye

このような課題があるなか、パソコンや周辺機器を使用することで、介助者を必要とせず、視線での文字入力や入力した文字の読み上げ、メール、写真撮影が可能になった商品が「OriHime eye(オリヒメ アイ)」です。

開発は、コミュニケーションロボット「OriHime」を展開する株式会社オリィ研究所。さらに「OriHime」と「OriHime eye」を連動することで、遠隔でもリアルなコミュニケーションができるなど、患者本人の世界を広げることができます。

「OriHime eye」はまだ2016年7月にリリースされてから間もない商品ですが、多くのALS患者の方から、「透明文字盤とまったく同じ感覚で使える」と評判で、現在、商品の生産が間に合わなく、受け取りも順番待ちになっているそうです。

訪問看護ステーションで体験会!

日頃より、ALS患者の方を看護する看護師さんにとっても、患者さんとの意思疎通はとても大切なことです。

そこで今回は、浅草医師会立訪問看護ステーションさんの研修の一環として、「OriHime eye」の体験会が行われ、その様子を取材させていただきました。

体験会スタート!

体験会

体験会は昼食後リラックスしながらスタート。まずはデジタル透明文字盤「OriHime eye」の概要を、オリィ研究所の藤村さんが、看護師のみなさんに説明します。

視線でさまざまなことができる「OriHime eye」

「OriHime eye」でできることは、視線での文字入力や入力した文字の読み上げ、メールなどです。スクロールのスピードやクリックの時間、文字盤表示の拡大や縮小、男性か女性かで音声を変えることもできます。個人に合わせてさまざまな設定ができるのが特徴です。

また、コミュニケーションロボット「OriHime」と連動することで、リアルタイムでの会話や写真撮影、「OriHime」に搭載されているカメラを通して景色を見ることなどができます。

一通りの説明や質問が終わったところで体験開始です。

デモンストレーション

まずは、藤村さんが「OriHime eye」の使い方をデモンストレーションします。

デモンストレーション

視線入力をするためには、まず赤外線で視線を検出し、キャリブレーション(視線を調整して登録)します。パソコン画面下の3つの赤い光で視線を検出しています。

「OriHime eye」にはすでに単語が登録されているので、そこを視線でクリックするだけで、「ありがとう」や「はい」、「考え中」などと意思を簡単に伝えることができます。もちろん、50音表から文字を入力して、文章を作ることも可能です。視線だけで、スクロールしたりクリックできるのは不思議な感覚でおもしろいですね。

「OriHime」を取り付けていれば、同じく視線入力だけで、「OriHime」の首を自由に動かして景色を見たりみんなで写真撮影をしたり、また、手を動かしてアクションすることができます。

みなさん「OriHime」の反応にくぎ付けです!

全員で体験!

実際にOriHimeを体験

それでは実際に体験です。まずは同じく視線を調整します。本来であれば、使用者が一度だけキャリブレーションすれば、毎回調整する必要はなく、その後もそのまま使用できます。

ちゃんとできるかドキドキの瞬間ですね。

実際にOriHimeを体験

視線入力の操作に慣れている人がやると簡単そうに見えますが、高齢の方が導入する場合など、人によっては1週間ぐらいの練習が必要です。思うようにスクロールができないと、どうしても条件反射で頭が動いてしまいます。頭が動いてしまうと視線検出から外れてしまい、操作が上手くいきません。

実際にOriHimeを体験

健康な人の場合、普段、頭を動かせない状況がないので操作が難しいようです。むしろ今現在、透明文字盤を使用している患者さんのほうが、視線だけを動かすことに慣れているので、比較的スムーズに導入できるようです。

体験した感想は?

今回の「OriHime eye」の研修は、初めて視線入力を体験することができ、最後まで楽しい雰囲気で行われていました。

最後に、デジタル透明文字盤「OriHime eye」とコミュニケーションロボット「OriHime」の体験を終えたところで感想をお聞きしました。

Q.デジタル透明文字盤「OriHime eye」やコミュニケーションロボット「OriHime」を体験してみていかがでしたか?

「コミュニケーションロボット『OriHime』は、無機質な見た目で初めは少し怖いイメージでしたが、手の動きや全体の雰囲気が時間が経つにつれ愛らしく思えてきました」

「デジタル透明文字盤『OriHime eye』は、視線を合わせることが思った以上に難しく、慣れるまではとても疲れそうですが、視線入力を実際に体験することで使い勝手がよくわかりおもしろかったです」

「操作が容易になるまで時間を要すると思いますが、ちゃんと練習すれば操作しやすいのかなと思いました。実際に導入するとなると、経済的な負担も考えなければいけませんね。臥床した状態での操作や小児のケースでも、医師や理学療法士を交えて体験を行ってみたいです」

人によっては初めからスムーズに操作ができる人もいましたが、それでも多少の練習は必要なようです。最初のうちは目が疲れるので、無理せず休みを取りながらゆっくりと練習をするのが良さそうですね。しかし、操作のコツが少しでもわかれば、楽しさが増し上達も早まるのではないでしょうか。

ちなみに、藤村さんのお話によると、「OriHime eye」を導入している患者さんの中には、手でメール文章を打つのと変わらない速さで、視線入力ができる人もいるようです。

まとめ

ALS患者の方の場合、症状が進むと意思伝達をするための練習も大変になってしまいます。コミュニケーション手段の確保を、症状が軽い早期の段階から1歩先に準備することをおすすめします。言いたいことを伝えられない、言いたいことをくみ取ってあげれない苦しさは想像するに難くありません。

そのため、周囲との信頼関係をあらかじめ作っておくことが理想的です。デジタル透明文字盤「OriHime eye」とコミュニケーションロボット「OriHime」を症状が進む前に導入することで、その後の意思伝達がとてもスムーズになります。

また、家族や看護師さんなどの近い存在とのつながりだけではなく、ネットを通して社会と広くつながっているという本人の安心感につながるのではないでしょうか。

無料体験会や資料請求などのお申し込み方法の詳細は下記のページからご確認ください。
http://glamcarerobots-orihime.xyz/

深澤裕之(LifePicks代表)

この記事の寄稿者

深澤裕之(LifePicks代表)

介護事業所向けにホームページ制作やメディア戦略コンサルティングを行う。介護の魅力的な道具を伝えるWEBメディア「グラムケア」、介護用品オンラインショップ「グラムケアストア」を運営。介護専門職の総合情報誌「おはよう21」制作ディレクター。コーポレートサイト

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