POLE・STAR株式会社の佐久間 理央です。
今回は兄弟や親戚など、介護離職を避けるためにどのような介護体制をつくるべきか、そのポイントを考えたいと思います。
どうしても、近くにいる人、仕事をしていない人、子供がいない人、責任感が強い人、仲が良かった人、優しい人等が背負いがちな介護。手が多い方がいいと思いますが、手が多いと意見がまとまらないというデメリットもあります。でも、一人よりも二人、二人よりも三人の方がいざ、という時に駆けつけてくれたり、一緒に考えてくれたりと、メリットも多いと思います。
各人の、介護に関われる状況を整理する
まず、把握しておきたいのが、それぞれの介護に関われる状況です。
それぞれに生活があるので、すべてをするのは無理でも、例えば病院の付き添いを何人かで分担すれば回数が少なくて済むとか、土日は無理でも平日の昼間の時間が使えるとか、食事作りは不得意だけれど、掃除ができる等、それぞれができることを少しずつすることで負担は軽減します。
大切なのは、話し合うこと
介護体制をつくる上でもっとも大切なこと。それは、キチンと話し合うということです。例えば長男がすべて決めたにも関わらず、「俺は忙しいからできない!!」なんて言い出したら兄弟げんかが始まってしまいます。しまいには、小さいころにいじめられた。なんて昔の恨みが出てくるかもしれません。
まさか!?と思いましたか?そこが家族問題そして介護の大変な側面。家族の問題は何が原因かなんてわからないことの方が多いのです。それぞれに、それぞれの思いがあり、兄弟姉妹、親戚の全員が同じ意見ではないのです。
できないことではなく、できることを定期的に見直しておくことが先の見えない介護を乗り切るコツの1つだと思います。
「今はできるけど、数年後には転勤になるかもしれない。」
「今はできないけれど、子供が小学校に上がれば少しはできる。」
「このプロジェクトの間は難しい」等々
それぞれのできること、できないこと、得意なことを知っておくのはとても重要なことです。もし、家事や介護に関することができなくても、口を出さずお金を出す。それもありなのではないかと私は思っています。介護は直接でなくても関わる方法はいろいろあると思います。
<続く>
この寄稿文は全2回の連載です。
この記事は、doppoの内容をアレンジしてお送りしています
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この記事の寄稿者
佐久間 理央
POLE・STAR株式会社ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。