呼称訓練用Pepperアプリ「ActVoice for Pepper」を提供する株式会社ロボキュアに行ってきた!

リハビリ , Pepper , 株式会社ロボキュア , 失語症 , 言語訓練 , 呼称訓練
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2017.03.08
株式会社ロボキュア 今回は、失語症のリハビリ支援を目的とした呼称訓練用Pepperアプリ「ActVoice for Pepper」を提供する株式会社ロボキュアにお邪魔し、代表取締役の森本さんと取締役の石畑さんにお話をお聞きしました。

失語症の方を対象とした言語訓練のアプリ

【深澤】 はじめまして、よろしくお願いします。さっそくですが、「ActVoice for Pepper」とはどのようなものですか?

【森本】 はい。我々が提供している「ActVoice for Pepper」は、失語症の方を対象とした言語訓練のアプリです。失語症とは言語障害の一つで、簡単に言うと話したり聞いたり読んだりすることが困難になります。リハビリ方法も色々あるのですが、その中でも私たちの領域は「呼称訓練」で、「話せない」という状態を少しでも回復するための訓練です。

呼称訓練の訓練フロー

呼称訓練とは物の名前を言う訓練で、患者さんは絵カードを見てその絵がなんなのかを答えます。私たちはこれをPepperでやっているわけですね。

【深澤】うんうん。

【森本】 Pepperは、日々のリハビリ記録を取得します。そのリハビリの記録を、言語聴覚士さんは、弊社が提供しているパソコン用ツールの「リハログ」を使用することで、訓練状況の確認や分析、追加訓練の設定などを患者さんごとに行うことができます。

ActVoice for Pepper

【深澤】なるほど、呼称訓練ですか。その「ActVoice for Pepper」を開発されたのはいつからですか?

【石畑】実は私は、その昔に失語症を患ったことがあります。その経験をもとにし、創業前からタブレット型のツールを開発し、それをベースとしてPepperに適用させました。創業から2年間、なんどもなんども改善しながら今日に至ります。また、初期の段階から千葉県の君津中央病院さんと千葉大学さんに共同研究や実証実験へご協力いただいております。

【森本】しかし、この期間それなりに勉強してみてわかったことは、私たちのやっている「呼称訓練」という領域は、リハビリの中のほんの一部で小さいところなんだと身に沁みました。

【深澤】と言いますと?

【森本】リハビリと一口にいっても、まず、からだ全体に関するリハビリがあって、その中に脳のリハビリがあって、またその中には言語の問題があって、その中のさらに一つの訓練だけを私たちはやっているにすぎない。

この2年間で自分たちのいる位置がよくわかりました。そして同時に道のりの険しさを痛感しました。今では、私たちのやっていくことが、小さくても1つの領域として形になれればいいなと思っています(笑)

【深澤】そんなにですか(笑) しかし、石畑さんがきっかけとして始まったこととは別に、ビジネスとして「呼称訓練」の領域を選ばれたのはなぜですか? さらに言えば、インターフェイスとしてPepperを選んだ理由も聞かせてください。

【森本】「呼称訓練」を選んだ理由は3つあります。1つ目は、言語訓練の中で広く行われている訓練だったことです。2つ目が、正解・不正解の判定が明確であること。最後の3つ目が、訓練効果の有無がすぐに現れやすい訓練だったいう理由からです。

株式会社ロボキュア

胸にあるタブレットを使用して訓練を進めます

また、Pepperを選んだ理由ですが、呼称訓練を行うにあたって、絵を表示することと音声認識(正誤判定)ができること。そして、訓練データ(音声)を記録しやすく、動きや喋りによって感情や気づかいを表現できること。また、高額なものではなく、一般企業でも購入可能な金額であることが大事でした。

Pepperは、優れた音声認識を持っている点は特に大きいですね。

【深澤】なるほど。たしかに、Pepperには多彩なセンサーがあり、そして感情の認識、Pepper自身も感情を持っています。一般企業でも買える金額なので、今も多くの企業が導入されていますよね。

「やさしい」を考える

【森本】創業時に「これで進むぞ!」と決意できたことがありました。それは石畑を支援してくださった言語聴覚士の先生の一言でした。その方は、50代で実力もあって素晴らしい先生です。その先生に「Pepperを使って言語訓練をやろうと思っていますが、先生はどう思いますか?」と聞きにいったら、先生は「たぶん、この子は私よりやさしい」とおっしゃいました。

【深澤】「やさしい」? どのような意味ですか?

【森本】失語症の方は、話せないことにとても苦しい思いをしていると感じています。呼称訓練で、1回言えたからと「良かった良かった!」とその時なっても、またその後に違う言葉を挟んでから再び質問すると、さっき言えたことが言えなかったりすることもあるそうです。

そうすると言語聴覚士の先生でもがっかりしてしまうことがあるようです。さっきは言えたのにと。言語聴覚士の先生も同じ人間なので、疲れることもあれば機嫌の上下もあります。そういう気持ちになる自分が嫌になることもあると聞きました。

それに、患者さんは60歳とか70歳の高齢の方が多かったりするのですが、対して言語聴覚士の先生は20-30代と若い方もいる。自分の子供かそれよりも年齢が若い人から訓練の指導を受けると、場合によっては、「なんだ、生意気だ」と感じてしまうこともあるようです。

そのような点から考えると、Pepperは機嫌が悪くなることはないし疲れない。生意気に感じてしまっても、「どうせロボットだもん」と許してくれる。だから先生は、「私よりもやさしい」と。それを聞いたとき、「絶対にやろう」と決意しました。

【深澤】「やさしい」に含まれている意味が深いですね。

【森本】 それから私たちは「やさしい」とはどういうことかをよくよく考えます。私たちはいつも朝議論していて、その中の重要なテーマが「やさしさ」なんです。「やさしいってなんだろうね?」「この状況でのやさしさって?」など、「やさしい」について、とことん考えるのですが、

そもそも、普段から自分の家族や友達などに対して、自分は本当に優しいのかと考えることなんてほとんどありません。しかし、今のこの仕事ではPepperの動作や会話を見たり聞いたりするなかで、「やさしさが足りないかな…」などといつも試行錯誤しています。

「やさしい」って通常ではあまり考えないテーマですので、こういうことをみんなで考えていること自体がとてもおもしろいんですよ。

【深澤】「やさしい」を考えるですか。私も今まで考えたこともないですね。では、Pepperが「やさしさ」を出せるために、どのようなことを大事にされてますか?

続きはこちら→『呼称訓練用Pepperアプリ「ActVoice for Pepper」を提供する株式会社ロボキュアに行ってきた!』介護の魅力的な道具を伝えるWEBメディア glamcare

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寄稿者

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深澤裕之(LifePicks代表)

介護事業所向けにホームページ制作やメディア戦略コンサルティングを行う。介護の魅力的な道具を伝えるWEBメディア「グラムケア」、介護用品オンラインショップ「グラムケアストア」を運営。介護専門職の総合情報誌「おはよう21」制作ディレクター。コーポレートサイト