介護報酬引き下げ⇒利用者と国民の負担減
介護サービスの公定価格と言われる介護報酬。今回の改定では、どうやら9年ぶりに引き下げの方向が決まったようです。介護サービスを提供する施設が受け取るお金のうち、利用者が実際に負担するのはその1割。残りは税金と保険で賄われています。そして今回予想されている3%前後の引き下げが実現すれば、税金520億円減、保険料410億円減、利用者負担は70億円減となります。
ですが数千億円と言うお金で片付くほど簡単な話では済まないのが、今の日本の介護保険制度。今の段階ですでに予想されている問題点もあるようです。
出典:http://mainichi.jp/
介護報酬引き下げで介護サービスの質が低下する!?
介護報酬が引き下げられれば、介護施設に入ってくるお金は当然少なくなります。今までと同じサービスを今までより安い金額で提供するためには、何かを削らなければいけません。利益があればそこを削ればいいのですが、今まで利益率の高かった特養やデイサービスでも、それが今後は難しくなってくるでしょう。そこでまず行われると予想されるのが人件費の削減。給与カットや人員削減です。給与カットで有資格者や専門職が集まりにくくなり、人員削減でさらに人が減った介護施設。・・・これで今までと同じサービス水準を維持できるのか心配になってしまいますよね。
つまり、介護報酬引き下げが介護サービスの質の低下につながるのではないか、と問題視されているのです。
ですから収入減に直結する介護施設だけでなく、利用者側にとっても無関係な話ではありません。
出典:http://www.okinawatimes.co.jp/
一部加算で介護離職、サービスの質低下は防げるか?
介護施設の減収で予想される介護職員の減給や離職、そして介護サービスの質低下。厚労省と財務省は、これを防ぐため職員の月給を1万円アップさせるのに必要な介護報酬を別途確保するつもりだそうです。ですが、これは介護職員処遇改善加算という特別枠。職員待遇の改善に関して、一定の基準を満たしている施設に報酬の一部加算を認めるものです。介護報酬引き下げで経営状況が厳しくなった施設に、職員の待遇改善に回す体力があるかどうかは疑問ですね。これをのぞけば実質5%の引き下げとなる今回の改定で、事業の存続自体に影響が出てくる施設も出てくるでしょう。これが介護業界の人材不足に拍車がかかる結果にならなければ良いのですが・・・。
出典:http://www.okinawatimes.co.jp/
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。