リハビリは、大変・続かない!?
「リハビリ」と聞くとどんなことをイメージしますか?大切なことだとはわかっていても、大変そう・続かなそう、といった印象持っている方もいるかもしれません。また、お子様やご高齢の家族のリハビリをサポートするとなると、本人にとっても家族にとっても続けるのは大変だと感じる方が少なくないでしょう。
どんどんやりたくなる「デジリハ」に注目!
デジリハのプロジェクトリーダー、加藤さくらさんのお子さんは現在7歳、福山型先天性筋ジストロフィーという疾患があります。進行性の難病で、関節拘縮の予防、運動機能の取得のため0歳から病院や療育センターに通い、日々リハビリが欠かせません。
医療従事者や親は少しでもいい身体の状態を保とうと必死ですが、子どもにとってリハビリの重要性が理解できず、本人のモチベーション維持がとても大変だと言います。
『遊び』を通して本人がやりたい!と言うようなリハビリができたら・・・そんな想いを原点に、夢中になれて意欲的になれるようなリハビリを届けようと、新たなプロジェクトが立ち上がりました。その名も「Digital interactive rehabilitation system(通称:デジリハ)」。人気のインタラクティブなデジタルアート(※1)を活用し、「やりたい!」「動きたい!」という気持ちを引き出しながら自発的な運動を促すというものです。
出典:※1 インタラクティブアート(Interactive Art)とは・・・観客が参加することで完成する芸術作品のこと。特に、コンピュータを用いた作品で、観客の動作にセンサーが反応したり、タッチパネルなどの入力によって何らかの変化が起きたりするもの。
このプロジェクトは「医療福祉エンターテインメント」を掲げるNPO法人Ubdobeがスタートしました。現在日本では、約11万人を超える0-18歳の子供たち(※2)がリハビリを必要としている、もしくは日々リハビリを頑張っているといいます。日本のみならず、世界中のリハビリを頑張っている子どもたちにワクワクするリハビリを届けたい!病院で生活する子どもたちにエンターテインメントを届けたい!との思いから開発に着手しました。
出典:※2 社会医療診療行為別統計(各年6月審査分)、雇用均等・児童家庭局母子保健課調べ「小児慢性特定疾患治療研究事業の給付人数」平成24年度の数より引用
デジタルアートはリハビリをする子どもの好きなコト・モノが反映されたオリジナル作品。さらに、このデジリハには大きな特徴がもう一つあります。そのリクエストを聞いて実現させる重要な役割を担うのは、キッズプログラマーたちだということ。同法人は「病児・障がい児たちは支援学校や施設、病院など大人に囲まれた環境で生活していることが多く、なかなか”子ども同士”の関わりが少ないのが現状。デジリハを通して、リハビリをする子どもとプログラミングを学ぶキッズプログラマーたちが出逢うことで、病児・障がい児と健常児のタッチポイントになることを期待しています。」と話します。
技術の進歩で、大人も子どももリハビリに積極的になれるように
近年、ロボットやVR、AIなど、急速に新しい技術が進歩してきています。ヘルスケア・メディカルの領域でもこうした技術を取り入れ、これまでの課題を解決するさまざまな方法が考えられてきています。2017年日本財団ソーシャルイノベーターに選ばれているデジリハのプロジェクトでは、開発を加速すべく、現在クラウドファンディングに挑戦中。いつかデジリハが当たり前になる日が来るかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
横尾千歌
「介護のほんね」ディレクター。介護の用語や介護関連の仕事のこと、高齢者向けの住宅事情など、今まで縁遠かった人でも読みやすいよう図や絵とともに情報を発信します。