本日1月27日、政府が進める認知症施策として、厚生労働省より「新オレンジプラン」が正式に発表されました。「新オレンジプラン」とは、どんな内容なのでしょうか?基本方針と主な施策「7つの柱」をご紹介します!
出典:http://www.mhlw.go.jp/
新オレンジプランでは、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続ける社会の実現を目指す」ことを基本的な考えとしています。認知症とともに暮らす社会へ、というメッセージですね。
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1. 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
要するに、まずは認知症についてよく知りましょうということです。とはいえ、身近にいないとなかなか理解しづらいですよね。そこで、普及役として認知症サポーターを育成したり、認知症の人の姿を発信したり、といった具体的な施策が考えられています。
2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
人によって症状が違う認知症。新オレンジプランでは、初めて介護や看護の仕事に就く人向けの基礎研修など、専門的なケアをより一層進めていくことになりました。
3.若年性認知症施策の強化
以前、介護のほんねニュースでも取り扱った若年性認知症。認知症は高齢者だけがなるものではないということも私たちは理解しておかなければなりませんよね。若くして認知症になったからこそ相談できない、ということがないよう、ネットワークの整備などが行われます。
4.認知症の人の介護者への支援
認知症患者本人へのケアはもちろん、支えている介護者のケアも大切。介護者が相談できる認知症カフェを何個増やすかという数値目標ができました。
5.認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
超高齢社会である日本にとって、認知症であるなしに関わりなく、高齢者が暮らしやすい社会づくりが求められていきます。高齢者が利用しやすい商品やサービスづくりを進めていきましょうということが改めて記載されました。
6.認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
どうしたら認知症を予防できるかを研究したり、治療薬の開発を進めたりしていきます。認知症が完治できる時代がくるかもしれません。
7.認知症の人やその家族の視点の重視
一番大切なことは、認知症の人やその家族が、本当に必要としているサポートをしていける社会になること。なにが必要とされているのかの実態調査や、その結果に基づく支援策の強化などが進められる予定です。
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基本方針は、「認知症の人が、自分らしく暮らしつづける」こと
ふだんから認知症ケアに携わっている人にとっては、当たり前のことかもしれません。でも、まだまだ「認知症はなってはいけないもの」「なったら怖いもの」という考えがある人も多いのではないでしょうか?新オレンジプランでは、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続ける社会の実現を目指す」ことを基本的な考えとしています。認知症とともに暮らす社会へ、というメッセージですね。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
「新オレンジプラン」の柱はこの7つ!
原文のままだと少し難しいので、簡単に解説していきたいと思います。理想を理想で終わらせないために
現在、認知症の人の数は約462万人。予備軍の人も400万人いると言われており、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、患者数が700万人を超えると見られています。新オレンジプランを軸に、人々が認知症と向き合ってともに暮らしていける社会を実現すること。その先には、世界にも発信できる成果が待っているかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
横尾千歌
「介護のほんね」ディレクター。介護の用語や介護関連の仕事のこと、高齢者向けの住宅事情など、今まで縁遠かった人でも読みやすいよう図や絵とともに情報を発信します。