近頃注目されている認知症ケア「回想法」って?
認知症は一度かかるとなかなか完治が難しい病気。ですが薬物療法やリハビリによってある程度症状を軽くしたり、進行を遅らせることはできます。そのリハビリにも音楽療法や運動療法などいろいろな種類がある中で、近頃特に注目されているのが「回想法」。これは「思い出を蘇らせることで認知症の進行を遅らせたり精神的な安定をはかる」療法だそうです。
最近これを取り入れる施設が増えてきているようなのですが、一体どんなふうに行われているのでしょう?
出典:http://www.ninchisho-forum.com/
「回想法」は認知症ケアにどう有効なの?
認知症の方はついさっきあった出来事を記憶するのは得意ではありません。ですが、遠い昔の記憶(長期記憶)はしっかり残っています。その記憶を思い出そうとする時には自然と記憶力や集中力を使うことになり、それが脳の活性化につながるのです。そしてよみがえった記憶が楽しい思い出であればあるほど、心理的に安定するという効果も。このために、認知症の方に昔を思い出してもらういろいろな「きっかけ」を用意するのが回想法なのです。それでは代表的な回想法の形式を見てみましょう。
個人回想法とグループ回想法
1対1で行う「個人回想法」は、キーワードを元に自分語りをしてもらうスタイルがメイン。仕事や結婚などのキーワードで引き出された記憶は、ただ懐かしく心穏やかになるだけではありません。「自分はこんな人生を歩んできた」と、認知症の方が失っていた自信を取り戻すきっかけになることもあるのです。6人程度の複数で行うのが「グループ回想法」。この回想法ではただ思い出話を語り合うだけでなく、子供時代の歌を歌ったり、懐かしいおもちゃに触れたりすることもあります。こうして五感を刺激することでより鮮明に記憶はよみがえり、そして脳も活性化されます。個人回想法は自分語りですがグループ回想法は仲間たちと時代を語る、という表現もできますね。思い出を共有できる仲間との出会いは、新たな喜びも生んでくれるのです。
出典:http://izumo-hp.com/
手軽に取り入れられるから「回想法」が注目されてる
個人回想法とグループ回想法は専門家がいる施設でよく行われている方法です。でも回想法は「昔を思い出してもらう」のが目的ですから、必ずしも形式ばっている必要はありません。例えば、最近では高齢者が青春時代を過ごした頃のポスターを館内に貼っている介護施設もあるんだとか。これもたしかに回想法と言えそうです。旅先のお土産や昔の写真を飾ってみたり昭和歌謡を流してみたり、家庭でもけっこう気軽に取り入れられそうですよね。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。