会社では上司といざこざ・・・家には認知症の母・・・もうクタクタ【プロが答える介護のあれこれ】

認知症 , 親の介護 , 介護と仕事の両立
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2015.02.27
仕事と介護の悩み

ご相談者のお悩み

現在、母親は要介護1で認知症があります。父親は高齢で一人っ子なので、私が中心になって介護しています。
先日、会社の上司に「親の介護のため仕事を休むことがあるかもしれない」と相談したところ、「事情は分かるが繁忙期だ。まわりのみんなが仕事を負担することになる」と言われてしまいました。ただでさえ認知症の母とのやり取りが大変で、これ以上、人間関係の悩みを抱えたくありません。この先介護をしながら働き続けられるか不安です。どうしたら両立できるでしょうか?(神奈川県/40代/女性)

辛い顔や暴言が出てしまったら、施設への入居のタイミング

ご質問者さまと同じような悩みを抱えておられる方は非常に多いのが現状です。
比較的大きな企業であれば、介護休暇が認められている企業もありますが、まだまだ日本の企業では、介護休暇、育児休暇なども社内の空気で言い出しづらいとか、人間関係がややこしくなりそうとか、社内に居づらいなどの弊害がありますね。

まず大切なのは、ご相談者自身が疲弊しない状況を確保すること。それには社会資源を有効に活用すること、それとご家族・ご親族の協力を出来るだけ得れるような環境を作ることが大切です。

今回ご相談者様は、一人っ子で兄弟姉妹がいらっしゃらないとのこと。実はこのケースは私が両親の介護をした時と同じ状況です。
私の場合、父が協力してくれましたが、父も介護に付きっきりになると疲弊するので、交代で介護をしながら、訪問介護やデイサービスを利用していました。

また場合によって、ご家族の介護が難しい日がある場合、ケアマネジャーさんに相談して、ショートステイの利用もおすすめします。
もちろん介護度に応じて利用できる介護サービスの幅は違いますが、ケアマネジャーさんに相談しながら、できるだけ上手にサービスを利用し、ご家族の負担を減らすことを考えましょう。
そして無理をしない、ここがとても大切なポイントで、一時的な無理ならその瞬間を乗り越えればいいのですが、継続して無理が続くようであれば、施設入居も検討するべきでしょう。

よくご相談をお受けしたりセミナーなどで講演をさせて頂く際に、私が皆様に申し上げることがあります。
介護を受けるご本人にとっては、住み慣れたご自宅で介護を受け、そして最期の時をご自宅で迎えるのが一番良いのは明白です。しかしながら、そこにご家族の厳しい介護に向き合わなければならない現実があります。私がよく例えるのは・・・「ゴールが見えないマラソンを、ずっと笑顔で走り続けられるならご自宅で皆さん協力しあって、ご本人が笑顔に包まれるような環境で在宅介護を行ってください。ただし、辛い顔や、時には勢い余って暴言を吐いてしまうなら、それは施設へのご入居を考えるタイミングだと思います」ということ。
暴言を一度吐いてしまうと、案外簡単に癖になって、時には軽い暴力にまで発展する事があります。そうなってしまっては、それは介護ではなく虐待になってしまいます。
極端な話に感じられるかもしれませんが、介護疲れによる虐待の第一歩はそんなきっかっけから生まれます。

介護を受ける側、する側が笑顔で接することができる環境を作るにはどうすればいいか、という風に答えを導き出してみてください。

老人ホームなどの施設への入居には費用が掛かりますが、最近では安価な価格の施設も増えています。そのような施設探しのご相談を受ける窓口もあります。
無理に家族だけで何とかすると考えずに、上手に介護保険サービスと社会資源を利用して、皆さんの生活の質が下がることの無いように考えていくことが大切です。そしてケアマネジャーさんなど、近くにどんなことでも相談できる人を作るのも忘れないようにしてください。

このコーナーでは、読者のみなさまからの介護に関する疑問や相談をお受けしています!
老人ホーム紹介センターの主任相談員を務め、ご両親の介護経験もある経験豊富なプロがみなさまのお悩みにお答えします。ご希望の方は、FacebookページへのメッセージTwitterのメッセージなどで運営までお寄せください。
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寄稿者

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田中宏信

(株)エイジプラス 東京支社長兼関東有料老人ホーム紹介センター主任相談員。介護施設の紹介業をしつつ、プライベートでは全国の被災地へ出かけてボランティアをしてます。