新サービス移行の時期は自治体によりまちまち
介護保険制度の改正を前に、各自治体では介護保険総合事業の模索が始まっています。自治体の準備期間を考慮して、平成27年度から3年間の移行期間が設けられていますが、その対応には自治体ごとに温度差が。全国約1600の介護保険の実施主体(市町村などの保険者)のうち、平成27年度に新サービスを開始するのは7%の114カ所。7割弱は、移行期間ぎりぎりの平成29年4月にスタートの予定です。
平成27年度にサービスを開始する自治体、平成29年度に開始する自治体それぞれの現状を紹介します。
出典:http://www.sankei.com/
平成27年4月スタート 東京都稲城市の試み
東京都稲城市では、特別養護老人ホーム「いなぎ正吉苑」に委託し、「押立の家」と呼ばれる民家で予防事業を行っています。対象は、要介護・要支援の認定は受けていないものの、歩行や立ち上がりが困難だったり、外出がおっくうだったりする人。血圧測定や筋力維持の体操と誤えん性肺炎を防ぐ口腔トレーニングなどをしながら、お茶を飲み、おしゃべりをして約2時間を過ごすというものです。スタッフの方によると、ここに来るために身だしなみを整え、お化粧をするのも心身の活性化になるとのこと(「産経新聞」より)。
「押立の家」が総合事業に移るかどうかは未定ですが、こうした予防事業や、ボランティアが支える集いの場を増やそうというのが総合事業のイメージでもあります。稲城市のように初年度から移行する自治体は、2年後にさらに高齢者が増えれば今より移行しづらくなると考えているようです。
平成29年4月スタート 宮城県仙台市の現状
宮城県仙台市は、要支援1、2の高齢者向けサービスの一部を平成29年4月に市の事業に移行します。国は制度改正による移行時期を平成27~29年度としていますが、仙台市では準備が必要と判断し、最終年度に合わせることを「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に盛り込みました。計画には移行時期のほか、「高齢者の社会的役割の拡大」「介護予防の推進」「介護人材の確保」など8項目の課題を挙げ、対応策などを盛り込んでいます。具体的には、地域包括支援センターに専任コーディネーターを配置し、介護予防などのネットワークを構築。介護人材の確保では、事業者の就職説明会支援や関連職種のイメージアップに取り組みます。
出典:http://www.kahoku.co.jp/
お住まいの自治体のサービスを確認することが大切
平成27年4月からの介護保険制度改正により、「要支援」を対象とする予防給付の訪問介護と通所介護について、平成27年4月より3年かけて「市区町村が取り組む地域支援事業」に移行されます。そのため、これまで全国一律のサービスだったものが、各自治体の財政状態や裁量で、サービス内容や利用料に差が出てくる可能性も。自分の自治体がいつどういう対応をするのか、注意しておく必要があります。
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この記事の寄稿者
ノック
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。