まとめ

原則禁止の身体拘束 やむを得ない時、介護者・家族はどうすべきか

将来的に避けて通れない介護。その中で、身体拘束という問題に直面する時も。どう受け止めればいいのでしょうか。

身体拘束

身体拘束とは?

身体拘束とは、衣類や綿入り帯、紐に代わるものを使って、一時的に介護を受ける方の身体を拘束したり、運動することを抑制するなど、行動を制限することを指します。平成12年4月にスタートした介護保険制度では、介護保険施設指定基準に身体拘束の禁止規定が盛り込まれています。
このため介護施設や指定居宅サービス等では、身体拘束は原則禁止となっています。

なぜ禁止されているのか?

当たり前のことですが、身体拘束は、拘束される本人に身体的にも精神的にも弊害をもたらします。具体的な弊害としてはこのようなものがあります。

  • 身体的弊害
  • 拘束され動けなくなることで、関節がこわばり、筋力・身体機能が低下します。また締めつけられた場所が傷になることもあります。食欲がなくなり、心肺機能や抵抗力が衰えます。

  • 精神的弊害
  • 行動を抑制されることで生まれる屈辱やあきらめ、怒りなどの感情が認知症の症状を悪化させることがあります。

    また、本人の家族を傷つけたり、介護施設に対する偏見や不信感を生む原因にもなりかねません。しかも、身体拘束することでさらに介護が必要な状態になり、拘束が拘束を生む悪循環に陥ってしまうのです。

    やむを得ない場合は?

    禁止されている身体拘束ですが、緊急時にはやむを得ないとして認められる場合があります。それは、拘束しないと生命に危険があり、ほかに介護方法がない時、かつ一時的に行動を制限する場合です。
    その際、本人や家族に状況や理由、身体拘束の内容、目的、拘束の時間帯、期間などを文書で説明し、同意してもらうことが必要です。また、その状況などについては詳しく記録し、その記録は5年間保存しなければなりません。
    身体拘束をした場合、できるだけ短い時間で済むように常にモニタリングしておく必要があります。
    出典:http://www.city.kobe.lg.jp/

    身体拘束の現実、家族や介護者の声は

    東京都北区の高齢者用マンションで入居者が「拘束介護」されていた問題が報じられました。その問題に対して寄せられた体験談や意見から、介護をめぐる厳しい現実が浮かび上がってきます。身体拘束を認めてしまった家族の苦悩と後悔、そして、介護職として働く人たちからは人手不足で忙しい現状を訴える声や、拘束しない介護をめざした体験談が寄せられています。
    繰り返しますが、やむを得ない時は認められているものの身体拘束は原則禁止です。しかし、徘徊や異食、暴力などもあれば、どうすることもできないと感じながら接している家族や介護者もいるでしょう。この現状をふまえて、今はまだ介護をしていない人でも「もし自分なら?」と考えておくことが必要なのかもしれません。
    出典:http://www.asahi.com/
    ノック

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