実は日本だけ!?「胃ろう」、日本と海外での考え方の違い

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2014.11.02
「胃ろう」日本と海外での考え方の違い 胃瘻(胃ろう)は、口から食事をとることの困難な人に対して、直接胃から栄養を摂取できるように人為的に造られる「第二の口」です。腹壁と胃に穴をあけ、カテーテルを通すことで体外と胃を繋ぐことから「胃ろうカテーテル」とも呼ばれています。今回はそんな「胃ろう」について、日本と海外における現状を比較してご紹介します。

日本ではどんな人が胃ろうの手術を受けているの?

「何らかの理由で口から食事をとることができない」もしくは「口から食事をとることが困難」である場合に、胃ろうの手術が適応されます。また日本では、介護の問題で「口から食事をすると、誤嚥の危険性があり、家族では対応が難しい」という場合にも、胃ろうの手術が適応されるケースがあります。日本では1年に10万人ほど胃ろうの手術を受ける人がおり、全国で胃ろうを利用している人は40万~50万人ほどとなっています。

日本で行われている胃ろうの処置

「胃ろう」日本と海外での考え方の違い 胃ろうを管理する際には、液漏れやカテーテルの詰まりに注意することが必要です。漏れや詰りには、固形化経腸栄養剤を使用して処置が施されます。また、細菌感染や皮膚の炎症などを防ぐため、カテーテルやカテーテルの入った周辺の皮膚を清潔に保っておくことが重要です。頭痛や嘔吐などの合併症を併発する場合があるため、胃ろうの手術を受けた後は、対象者の体調をきちんと管理し、異変があったら担当医にすぐ報告しましょう。

海外での胃ろうの現状

高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民みんなが認識しているからでした。逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。
ですから日本のように、高齢で口から食べられなくなったからといって胃ろうは作りませんし、点滴もしません。肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。内服投与のみです。したがって両手を拘束する必要もありません。つまり、多くの患者さんは、寝たきりになる前に亡くなっていました。
出典:欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか

「人が口からものを摂取できなくなる」ということは、身体的な機能がかなり低下していることを示唆します。海外では患者の倫理的な配慮から、患者本人は家族が胃ろうを臨まないケースが多いのだとか。しかし、ある研究では胃ろうの術後の生存率が、欧米人に比べ日本人が高く、術後のQOLも良好である、との報告もあります。そのため、一概に日本と海外の胃ろうについて比較できないのが現状です。

現在日本では、延命治療のみを目的とした胃ろうではなく、食事を楽しんで、対象者のQOL向上につながるようリハビリテーションや自宅での訓練に力を入れる病院が増え、家族も対象者のQOLに対する意識が高まっています。
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crooque

介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。