介護を受けたいのに受けられない「介護難民」が増えている ~ならないために、なった時のために、増やさないために~

老後破産 , 老後資金 , 介護難民 , 要介護認定
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2015.03.25
介護難民

「介護難民」が増えている

今、日本全国で、介護を受けたいのに受けられない「介護難民」が増えています。増え続ける高齢者・要介護者ですが、その一方で、社会保障費が足りないこと、介護を担う若者が足りないこと、などの問題が発生しています。 どのようにして介護難民が生まれているのでしょうか?どうしたら介護難民化を避けられるのでしょうか?

本当にある「介護難民」の実例・実態

介護難民は、遠いどこかの話ではなく、身近で誰もがなりうる話です。そのことがよくわかる、介護難民となっている3つのケースを紹介します。

ケース1:80代後半女性、要介護1、認知症あり、県外に嫁いだ娘さんが2人、山間部に居住
  • 要介護1のため、特別養護老人ホームには入居できない(※)
  • 金銭面や心身面で娘さんや近くに住んでいる親類が交代で見ているが、認知症が進んできている
  • 民間施設に入居するお金はあるが、この女性が住んでいる山間部のエリアは、周囲に民間の施設がない

  • ケース2:ともに70代後半のご夫婦、ご主人は要支援1で奥様は要介護4、ともに認知症あり、大都市郊外の団地に居住
  • 二人とも高齢で認知症があるため、老老介護高齢者が高齢者の介護をすること)で、さらに認認介護認知症の人が認知症の人の介護をすること)の状態
  • 奥様は要介護4のため特別養護老人ホームへ入居ができるが、その場合、ご主人がひとりになってしまう
  • 子どもはおらず、近所の人も同じ時期に移り住んできた高齢者ばかりで頼ることができない

  • ケース3:90代女性、要介護2、60代前半の息子さんと2人暮らし、地方都市に居住
  • 息子さんは定年退職し、年金はまだもらえる年齢に達していないため、お母様の年金で2人で暮らしている
  • お母様の介護があるため、息子さんは働きに出ることができない
  • 要介護2なので特別養護老人ホームへは入居できないが(※)、収入が少ないため、民間の施設も利用できない

  • ※2015年4月以降、特別養護老人ホームの入所基準は、原則要介護3以上となります

    このようなケースを想像してみると、我が家でも十分起こり得ると感じる人が多いのではないでしょうか。

    さまよう難民の行く末

    ケース1のような方は、娘さんと同居したり、娘さんの住む地域の近くで施設を探されたりすることが多いようです。ですが、認知症の方にとって環境の変化が悪い影響になることもあります。
    ケース2のような方は、費用の折り合いがつけば、二人で入居できる老人ホームへ入居する方法があります。でも、この方のように子どもがいなければ、その老人ホームを探す手間を割ける人がいないこともあります。また、本人たちの希望でそのまま老老介護・認認介護を続けてしまうことも多いです。
    ケース3のような方は、息子さんとお母様のどちらかが生活保護を申請し、収入を確保したうえで引き続き自宅で介護を続けるか、生活保護の方も受け入れている民間の施設などに入居するという選択肢もあります。しかし、生活保護の申請に対して躊躇してしまったり、さまざまな理由で生活保護が受けられなかったりすると、親子共倒れになってしまうことも全国で発生しています。

    「介護難民」にならないために、なってしまった時のために、増やさないために

    一つ目にできることは、あまりに当たり前すぎることですが、介護が必要な状態にならないことです。実はこれが本当に介護が必要になった時にサービスを利用できるようにするための、もっとも有効な手段です。
    もう一つは、ひとりひとりが利用できる福祉制度を理解しておくことです。日本の福祉制度は、基本的に、利用したい人が申請する形になっています。ということは、その制度自体を知らないと申請することができず、手を差し伸べてもらうのを待っているだけになってしまいます。そのため、介護難民になってしまった時のためには、利用する人それぞれが制度をよりよく理解しておく必要があります。
    また、制度そのものも、本当に必要な人が使いやすいように組み立てられていかなければなりません。厚生労働省や各自治体は、現在、介護者のネットワークづくりなどさまざまな取り組みに力を入れてきています。しかし、介護難民の実態はまだあまり詳しく調べられていないのも現状です。
    そして、私たちが地域住民の一人として、そうした介護難民をそれぞれの役割でサポートしていくことが、求められているのではないでしょうか。
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    寄稿者

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    まーしー

    介護のほんねニュースライター。とある町の公式キャラとの情報もあるが、定かではない。