外国人技能実習生の失踪が問題に
昨年、外国人技能実習生の失踪者が過去最多になったことがわかりました。外国人技能実習生とは、外国人技術技能実習制度により、日本に働きに来ている外国人のことです。この制度は、発展途上国の若者たちを日本の企業に受け入れ、日本の技術を学んで母国に持ち帰り役立ててもらうことを目的としています。その外国人技能実習生の失踪者が平成26年に過去最多の4,800人になり、過去10年間で25,000人にもなっています。なぜこれほど失踪者が多いのか、その背景を見ていきましょう。出典:http://www.sankei.com/
外国人技能実習制度とは?
そもそも外国人技能実習制度がどういう制度なのか詳しく見ていきましょう。まずは技能実習生と受け入れる企業とで雇用契約を結びます。この制度の対象になる職種は、機械・金属関係、建設関係、農業関係といくつかに限られています。また、受け入れ企業の常勤職員数の規模によって、技能実習生の受け入れ可能人数の上限も決まっています。技能実習生は1年間の技能実習のあと、技能検定に合格すればさらに2年間働くことができます。人手不足になっている日本の企業にとっても最低3年間は人材を確保できるということです。
なぜ、失踪者が増えているのか?
人手不足に陥っている企業にとっては、安定した雇用を確保できるというメリットがある一方で、受け入れられている実習生は過酷な労働状況に置かれている場合が多くあるようです。彼らが最低賃金水準で働き、残業代の未払いなどの労働関連法違反が多く発生していると報道されたこともありましたね。そんな過酷な労働状況に耐えることができず、失踪してしまう実習生が少なくないのです。国際研修協力機構(JITCO)の調べによると、20代・30代の若さで過労死している人もいるというのですから、労働環境が改善しないことには失踪者があとを絶たないのでしょう。
出典:http://bylines.news.yahoo.co.jp/
介護への展開に影響は?
このような状況の中、政府は2015年3月6日に実習生の受け入れ期間を最長5年に延ばすことを閣議決定し、対象職種に介護職などを追加する方針で検討しています。このままでは、介護職の世界でも同じような問題が起こることにはならないでしょうか?今後、こうした人権侵害を防ぐために法整備が進むようです。人手不足が深刻化する介護現場。海外からの力を借りるには、越えなければならないハードルが大きくそびえたっていると言えそうです。
出典:http://www.asahi.com/
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この記事の寄稿者
coba
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。