「ひと味」第一回 佃節子さん【色を大切にし続ける、という味】

Have a nice day , ひと味
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2015.03.30
私たち“Have A Nice Day”は、「“あ~、生きててよかった”と思う、をつくる」をモットーに、ジャンルを問わず様々な手法で「生きててよかった」と思う瞬間を仕立てる活動をしております。

今回はそのうちの一つ。「ひと味」というプロジェクトをご紹介いたします。
無数の人間活動からなるこの世の中には、メディアで取り上げられない「素敵な人」「すごい人」がたくさん隠れています。
町内会で有名な、商店街で人気者の、ちょっと自慢したくなる身内等々、身近なところにいる方々の「素敵なところ」「すごいところ」を取材。
その人の人生の、ほんの「ひと味」に触れることができれば、という想いでお話を聞かせていただきます。
人の人生十人十色。
全く違うように見えて、見知らぬ遠い人の経験が、もしかしたら何かのヒントになるかもしれない。
そのひとの味が、別の誰かにとって意味を成すことがあるかもしれない。
日本一でなくとも、超有名でなくとも、華々しい栄誉に包まれていなくとも、人はちゃんと美しい。
放っておくと見過ごしてしまいそうな、でも価値のある、小さな「甘美」をそっと掘り起こします。

第一回 佃 節子さん 【色を大切にし続ける、という味】

「色の組み合わせを変えるだけで、見た目が全く変わるでしょう。どこの場面でどんな色を使おうかなと考えるんです、どんな時でも」 佃 節子さん5 豊かな笑顔で語るのは佃節子さん、御年97歳。奇しくもインタビューに訪れた日がちょうどお誕生日であった。現在、神奈川県横浜市の閑静な住宅街に暮らす。
お迎えしてくださった彼女は、とても100歳を間近に控えたようには見えないほど背筋はピンとし、ワインレッドのカーディガンが知性を漂わせている。「今日は私のためにありがとうございます」と深々とお辞儀を頂戴し、むしろお願いしたのはこちらの側であるのに、とその腰の低さに圧倒され、そしてそのまま彼女のあたたかな世界へ飲み込まれてしまった。肌のツヤは内側から湧き出でる熱量の証と言わんばかりに、弾ける表情はとても印象的である。その後も途切れることなくころころ変わる様相は、会話するものをいつまでも飽きさせない。彼女の歓待の流儀なのかもしれない。

節子さんは、文筆家を親族に持つ芸事達者な一家に生まれる。女学校時代に華道と茶道に出会い、ものを通じて自身を表現することにのめりこんでいった。
「活けていくとどんどん変化があって、いろんな形を作れるところがいいですね」
同じ種類の花を使っても、活ける人によって全く違った姿形をなす華道の楽しさをこう語る。花の色の配置によってできあがる画が変わる。色をアレンジできる華道は、今でも大好きだそう。
色彩は彼女の大切な表現ツールになっている。

女学校卒業後、日経新聞社に勤める正弘さんとご結婚。戦後の混乱の中、お二人で力を合わせながら家庭を築いていった。
「本当に厳しい人だったんですよ、私が話をしていると『結論から言いなさい!』と怒られたりして。主人が仕事から帰ってきたときに、私が家にいないと怒られたりもしましたね。うっかり電気をつけっぱなしにしてしまっていると、日本のためにならん!と指摘されたり、もう大変だったんですよ」
節子さんが78歳のときにご主人は亡くなられたのだが、生前を思い出しながらどんどんな柔和な表情になってくる。口を突いて出る言葉は少し厳しくとも、その仲の良さは容易に想像できる。

節子さんは続ける。

「私の青春は、主人が亡くなった後に始まったんです」


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