介護・保育・障害者施設が統合される!?
厚生労働省が昨年から進めている「まち・ひと・しごと創生サポートプラン」。ついに先日その具体的な方針が発表されました。その中で特に注目しておきたいのが、これから介護施設や保育施設・障害者施設が統合されるかもしれないということ。そして、そこで働く介護士や保育士、准看護師などの資格統合の可能性が出てきた、ということです。
近頃は、幼老複合型などの以前とは違うタイプの福祉施設も話題にのぼっていますね。でも、そこで乳幼児の保育を行うのは保育士、高齢者の方の介護をしているのは介護士です。もし本当にこれらの施設や資格が統合されたら、このあたりの役割分担もずいぶん変わってきそうです。
それではまず、このプラン登場に至った社会的背景を見ていきましょう。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
来たるべき2025年にそなえて
団塊の世代が後期高齢者になり、日本が超高齢社会としてさらに進む2025年はもう目前。この年には介護士が約30万人不足、それに先駆けて2017年度の末には保育士も約7万人不足すると予想されています。また、地域によっては人手不足以前に施設自体足りていないということもあるのです。もちろん各業界もそれぞれ対策を始めていますが、それで今後10年の間に確実に人手不足を解消できるかはわかりません。保育園を利用したい人はますます増えるでしょうし、何より超高齢社会は間違いなく進んでいきます。
こんな状況の中、「いっそのこと人手不足で困っている業界同士が手を結びませんか」というのが今回の話なのです。
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/
もし保育士と介護士の資格が統合されたら働き方は?
まだ具体的なシステムが発表されたわけではありませんが、例えば保育士と介護士の資格が統合された場合を考えてみてください。高齢者が30人、乳幼児が30人通う施設があったとします。今のルールでは高齢者の施設向けに介護士を数名、乳幼児の施設向けに保育士を数名それぞれ配置することになり、基本的に介護士は保育を担当できず保育士は介護を担当できないことになります。ですが、もし介護保育士(仮)が誕生すれば、おそらく今より少ない人数で介護と保育両方のサービスを運営可能な配置基準に変わるでしょう。そして通所者の数に応じてスタッフはある時は介護を、ある時は保育を、という具合に必要に応じて動くことになるかもしれません。
こうして施設や資格を統合することで、今より少ない人数で需要をカバーできるようにするのがこの制度の狙いなのです。
現場スタッフの負担は増える!?
もちろんそうなれば、現場のスタッフ1人当たりの負担が大きくなることは予想されます。でもそれを理由に現場を離れる人が増えればせっかくの新制度も意味がありませんよね。ですから、新資格や業務内容に見合った手当ても考慮されていくのではないでしょうか。現場での働き方のほかにも、資格自体の取得方法など、さまざまな点で変化を迎えることになりそうです。これが人手不足解消の切り札になるのか、今後に期待したいところです。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。