一人暮らしおじいちゃんの6人に1人が「修行僧」

つながりプラス , こころみ , 孤独 , 孤独死
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2015.04.16
弊社は一人暮らし高齢者向け見守りサービス「つながりプラス」を提供していますが、サービス対象となる一人暮らしの高齢者に関する興味深い調査をご紹介します。
国立社会保障・人口問題研究所が2013年に発表したアンケート調査で、「生活と支えあいに関する調査結果の概要」です。

定性的な調査を網羅的にしており、非常に参考になります。
その中で、「一人暮らし高齢者の会話状況」に焦点をあててデータを見てみました。
まずこちら、一人暮らし高齢者(65歳以上)の会話頻度です。
誰とでもいい、電話でもいいのでどのくらいの頻度で人と話をしていますか、という質問です。 一人暮らし高齢者(65歳以上)の会話頻度 なんと、4割の方が2-3日に一回以下しか人と話をしていません。
この比率は私の想像を超えていました。
ほとんど毎日、家に閉じこもっている高齢者の姿が浮かびます。
そして注目すべきは男性です。16.7%、つまり6人に1人は2週間に1回以下しか話をしていません。 男性高齢者の会話頻度 仕事をしたり学校に通ったりしている立場からすると、信じられない数字ではないでしょうか。
タイトルで「修業」と書きましたが、実際は寺にこもっていても同僚の僧たちと話をしますから、
仙人とか山伏の修業をしないとこうはなりません。かなり特別な修業です。
冗談めかして書いてしまいましたが、孤独は体を蝕みますから、この状況は本当に恐ろしいことだと思います。
(孤独と孤立がどれほど恐ろしい状況を生むかは以前のエントリ「死を招く孤独の危険とは?」をご参照ください)
さて、では男性が一人暮らしになった時に、どのようにして人と話をしない状況が生まれてしまうのでしょうか。
まずは、夫婦が二人で暮らしている場合に男女差があるのか、を見てみましょう。
性別世帯構成別会話頻度 それぞれ、男性と女性の会話頻度を、夫婦でいるときが左、一人になった時を右にしました。
そうすると、男性でも夫婦二人暮らしなら、85%が毎日話をしています。
女性の87%と比較すると低いものの、圧倒的に差がついているわけではない。
(夫婦で同居していて毎日会話をしない13-15%についても問題を感じますが・・・おいておきましょう)
それが、一人暮らしになった途端、男性は毎日話をする人の比率が突然、下がる。
しかも4-7日に1回しか話をしない人と2週間に1回以下しか話をしない人の比率が非常に高い。
もともと男性の場合、自分のアイデンティティや交友関係が仕事に紐づいていることが多く、引退とともにそうした関係性が失われてしまう。
地域や趣味の集まりなどになかなか参加できていないので、ご夫婦で奥さんが亡くなると、とたんに社会との接点を失ってしまう。
そんな図式が浮かびます。
ところが。
実際に、「誰と会話をしているか」をまとめたものが、次のグラフになります。
これは一か月間、話をする相手を選んでください(複数選択可)という質問の回答です。
男性。
男性会話相手 女性。
女性会話相手 男性、女性とも、左が夫婦二人で暮らしているとき、右が独居になった時です。
独居になると男女ともあらゆる関係と話をする機会が下がりますが、男性のほうがその比率も大きいですね。ご近所さんや友人・知人との付き合いも、奥さんぐるみで維持されていたケースも多いようです。
しかし一番驚いたのは、家族・親族の落ち込みです。
男性の場合、90%が56%になっています。34%もの落ち込み。
女性の場合は91%→72%ですから、倍以上の減少率の差があることになります。
当然、一緒に暮らしている伴侶が亡くなったことによる減少がありますが、
女性の場合は伴侶が亡くなっても家族・親族との連絡を取り続ける。
一方で男性の場合はそれすらなくなってしまう、という構図が浮かび上がってきます。
家族と話をする機会が、友人や近所の人より低い。

お子さんや血縁がいる比率に男女比があるとは考えにくいですから、これは家族・親族に対して男性が連絡をとろうとしない、それを受けて家族からも連絡がいかない、という状況を端的に表していると思います。
自分の父や祖父が一人暮らしになったら、地域や友人関係が構築されているかを考えることが重要ですが、自分自身やほかのご家族との接点が保てているか、少し立ち止まって考えてもいいかもしれません。

あなたの親御さんはいかがでしょうか?
社会とのつながりや、関係性、いかがでしょうか。
これは男女に限らず、一人暮らしになったときに今までの生活を維持できるか、という問題だと思います。

もし、親御さんが離れて暮らしていて、少しでも気になるようでしたら、早めに「何か」行動を起こすことが大事です。

心構えをしておくこと、話しをしておくこと、コミュニケーションを取っておくこと、それだけでもずいぶん違います。

来週弊社で行う、「離れて暮らす親のケア講座」はまさに、そういった事前の心構えについて私が講師になってお話させていただきます。
ご興味がある方はぜひお申し込みください。
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寄稿者

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神山 晃男

1978年生まれ 長野県伊那市出身
慶応義塾大学法学部政治学科卒業。
コンサルティング会社を経て、アドバンテッジパートナーズにて投資ファンド業務に従事。
2013年に株式会社こころみを設立、一人暮らし高齢者向け会話型見守りサービス「つながりプラス」事業を展開。
Twitterアカウントは、@akiokamiyama