日本人の食事摂取基準が改定されました
平成14年に健康増進法が制定されてから、5年おきに見直しが行われている「日本人の食事摂取基準」。これは、健康の保持・増進のための理想的なエネルギーと栄養素の摂取基準を定めたものです。簡単に言えば、病気にならないために「とるべきエネルギー」と「とりたい栄養素の量」の目安ですね。
それでは、今回の改定の主な変更点を見てみましょう。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
改定ポイント1:全ての人がターゲットに
今までの食事摂取基準は、健康の保持・増進・生活習慣病予防を目的にしていました。つまり、健康な人が主なターゲットだったわけです。ですが、今回の改定では「生活習慣病の重症化予防」も目的のひとつとして加わりました。健康な人もそうでない人も、自分なりに健康維持や病気の回復に努めていく。これって介護予防の考え方に通じるものがありますね。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
改定ポイント2:指標にカロリーではなくBMI指数を採用
エネルギーの摂取量と消費量のバランス維持は、健康管理に大きな意味を持っています。必要以上のエネルギーを摂取すれば肥満や生活習慣病の原因に。高齢者の方の場合はエネルギー不足も心配です。そこでエネルギーバランスが維持されているかどうかを示す指標として、BMI指数を採用することになりました。これまでは性別・年齢別の適切なカロリーが示されてましたが、これでは個人の体格の違いには対応しきれていませんでした。これからは、体重と身長から計算できるBMI指数を用いることで、さらに個人個人にあった目安を知ることができます。
一般的に最も病気にかかる割合が低いとされるのはBMI22前後。今回の改定では18歳以上の成人を3つの年齢区分に分け、それぞれ異なる目標値を設定しています。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
改定ポイント 3:各栄養素の「目標量」を充実
新基準で定められたナトリウム(食塩相当量)摂取量は、男性8.0g、女性7.0g。高血圧予防の観点から前回より低めに設定されています。また、6〜17歳の子どもに対しては新たに食物繊維とカリウムの目標量を設定しました。これも、早いうちから生活習慣病予防に取り組んでもらうための試みなのだとか。
2015年版「日本人の食事摂取基準」では、こういった栄養素の具体的な数値を示す項目がさらに充実しました。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
簡単に始められる理想の食生活、まずは減塩から
さて、ここまでは理想とされる「日本人の食事摂取基準」のお話。実際には、日本人の塩分摂取量は「男性11g、女性9.4g」とはるかに目標値をオーバーしています。近頃見かける減塩醤油や減塩みそなどの「減塩」を意識した商品。これらは「減塩したいけどしっかりした味付けが好き!」という方の強い味方になってくれそうですね。
また、魚の下ごしらえは料理酒で、振り塩は片面だけにといった調理中の工夫でもあんがい簡単に減塩できるものです。さらにだしやスパイスを使いこなせば、塩分控えめでも満足度の高い料理が完成!
最初のうちは物足りなくても、少しずつ舌は慣れていくものです。10年、20年先を見据えた食生活、今日からさっそく始めてみてはいかがですか?
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。