自宅以外の場所で亡くなる人がほとんどの日本
今の日本で、最期の時を自宅で迎える方はたったの1割程度。ほとんどの方が病院などの自宅外施設で亡くなっています。そして特に近年増えているのが、老人ホームなどの介護施設を最期の場所に選ぶ方。平成18年の介護報酬改定で「看取りケア」に関する看取り介護加算の項目が盛り込まれて以降、看取りケアの方針を明確に定める施設が増えてきたのがその理由でしょう。
介護施設で働くスタッフにとって、利用者の終末期に関わる「看取り」は決して楽しい仕事ではありません。ですが、せいいっぱいの看取りを行うことは入居者の方へ感謝の気持ちを伝える最後の手段。
一人のスタッフとして、入居者の看取りとどう向き合っていくべきなのでしょうか。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
「看取り」とは最期の瞬間のプロデュース
まだ経験が浅いスタッフは、「看取りケア」と聞くと、つい、死の瞬間ばかりイメージしてしまうかもしれません。ですが、本来の看取りケアとは、その人自身が望む最期の瞬間をプロデュースすることすべて。「死の瞬間を見守る」ことだけでも「ただ身の回りのお世話をする」だけでもないもの。多くの施設では、終末期の栄養補給法や緊急時の対応などについて、利用者本人や家族の希望を事前に確認し、スタッフへの研修を行っています。本人や家族が希望を伝えやすいのは、一番身近にいるスタッフ。日頃から信頼関係を築いておくことも大切です。
出典:http://www.kokushinkyo.or.jp/
看取りの手引き
各自治体では、介護施設のスタッフや家庭で看取りを迎える家族向けに「看取りの手引き」を作成しています。そんな看取りの手引きなどで言われている、実際に看取りケアを行う時に意識したいポイントを具体的にあげていきましょう。もちろん今まで通り体をこまめにふいたり、手浴や足浴で清潔を保ち、最後まで入居者の方が心地よく過ごせる配慮も必要です。
本当は、介護スタッフが看取りケアに関して特別「終末」を意識する必要はないのかもしれません。今まで通りのお世話をより一つひとつ丁寧に心がけるだけで、その方がより安らかな時を過ごすお手伝いになっているのです。
出典:http://www.pref.yamagata.jp/
看取りのあとはスタッフ自身のケアも忘れずに
毎日ともに過ごした利用者の方が亡くなるということは、スタッフにとっても大きな変化をもたらすことでしょう。介護施設は、利用者にとって我が家のようなもの。スタッフにとっても家族のような存在を失ったように感じられるかもしれません。スタッフ同士で気持ちを出し合ったり、専門家にアドバイスを受けたりして、看取りのあとの時間を落ち着いて過ごせるようにしていくことが大切でしょう。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。