介護休業制度に新たな動き
現在の育児・介護休業法で定められている介護休業とは、「要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに93日までの休業」を取得できる制度。また、これとは別に年間最大5日までの介護休暇を取得することもできます。休業中も諸条件を満たせば賃金の40%が保障されるこの制度、仕事と介護を両立させている方にとって必要不可欠なのですが…。
どうやら2017年にむけて、この介護休業の取得方法を一部見直そうという動きが出てきているようです。その背景と今後改定される制度のあらましを見ていきましょう。
現行の介護休業制度の問題点は?
現在の介護休業制度では、一度回復して別の要介護状態になった場合をのぞき、まずは30日、数か月後に30日というように小分けで取得することはできません。これは「介護をするための休業」ではなく、「仕事と介護を両立させる準備をするための休業」と想定されていたから。要介護認定や介護サービスを受けるための手続きはたしかに3か月もあれば十分です。施設に入居する場合は家族も安心して仕事に戻れます。
ですが、在宅介護の場合はそこからが本番。介護休業が終わっても介護から解放されるわけではありませんし、症状が進行すればますます目は離せなくなります。そこでやむを得ず有給を使って介護をしたり、場合によっては仕事をやめて介護に専念せざるを得ないという方も少なくなかったのです。
増える在宅介護、検討されているのはこの2点!
まずは通算93日の介護休業を分割取得できるようにすること(手続きの複雑化を避けるために最低2週間単位での取得が検討されているようです)。例えば月の前半は休みを取って介護に専念し、仕事が忙しくなる後半は介護サービスをめいっぱい利用、ということもできますね。
そして現在年間5日まで、1日単位でとれる介護休暇。こちらも短時間で済む病院の付添いなどにも柔軟に対応できるよう、半日や時間単位で取得可能な方向を目指すようです。
介護休業、実際には取得できるもの?
過去のデータを見てみると、小規模な会社ほど介護休業の取得実績が少ない傾向があるようです。これにはそもそも該当者が少ないこと、そして社員数が少ないため1人でも休むと会社が回らなくなる、という事情も考えられますね。
独自の介護休業制度や手当を設けているところもある大企業と違って、中小企業ではなかなかそこまで手が回らないのが実情。せめて個人単位では、介護休業を取得しようとしている同僚に対して「お互いさま」の声をかけてあげられる余裕も欲しいところですね。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。