オトギデザインズさんってどんなところですか??
デザイナーの盛岡さんと運営の蔵野さんのお二人で2010年1月に「心にしみるデザイン」をコンセプトに設立しました。
今から10年前に商店街に上書きが売られている様子を見てずっと気になっていましたが、台東デザイナーズビレッジという廃校になった小学校をアトリエにした場所に入居したことをきっかけに「いろばき」を作ろうと決意。現在はアキレス株式会社さんと共同制作し「いろばき」を日本全国だけではなく世界でも販売しています。
「いろばき」ってどんな靴??
スニーカーの3分の1ほどの軽さも魅力の大人も履ける上履きです。
靴底のゴムを溶かして生地と接着しているので様々な動きに耐えうる強度です。
生地も厚手の帆布を二枚重ねで丈夫。
この作り方は国内に3社しか制作しておらず、以外と特殊な作りなのです。
もともと上履きのデザイン自体も古くからあり、戦後に誰がデザインしたかは不明のままアノニマスなデザインのものだそう。だからこそ全ての世代に通じる懐かしさや親しみもある存在である上履き。
「いろばき」のカラーバリエーションも、表地と裏地のバイカラーを表現したトマトエクリュ、オリーブピスタチオ、ブルーベリーアクア、ラムネサクラというネーミングにしています。
また、「いろばき」の包装箱にもこだわっており、メッセージを書けるようなスペースがあったり、綺麗なイエローのドット柄にこだわったギフトにもオススメの仕様にしました。
室内履きにも外履きにも使えるので、普通の生活にあったかい気持ちをプラスできます。
介護のイメージってどんなイメージですか??
可愛い上履きを履きたいけれど色が白しかないから自分で色を塗って履いていたというおばあちゃんが、可愛いものができて嬉しいと言って「いろばき」をお買い上げくださったり、娘さんから入所されているおばあちゃんへのプレゼントでお買い上げくださったりなど、普通に生活をしているだけではなかなか介護というフレーズだけでは考えたことはないですが、自分たちの作っているものが実は介護のコミュニケーションに役立っていると思うと嬉しい気持ちになります。
「介護」という言葉にはまだまだ先入観があるのも事実です。
やらなきゃいけないという義務感のようなものや、見て見ぬ振りをしてしまうような気持ちもあります。
しかし「介護」という言葉で区切ってしまうから壁ができてしまうのではないかとも思います。
特別なことという認識ではなく、老化によって生活が困難になってしまった方々を単純に助けたいという気持ちで成り立つものだと考えています。
どれだけ気配りできるか。「介護」と親孝行とに柵はないと思います。
今後取り組んでみたいこととは??
「介護」という言葉の外枠のイメージはあるけれど、本質である思いやりや優しさの部分がまだまだ伝わっていない状況も事実です。
「介護」の本質に気づいてもらえるものづくりや発信の仕方をしていきたいと思っています。
私たちの作っている「いろばき」も、子供が履くものという外枠があり、その本質であるあったかい気持ちに気づいてもらいたくて作っています。
直接的に「介護」という言葉に当てはまらないかもしれませんが、人の優しさや本質を突き詰めていくと幅広い分野で「介護」を考えることが出来ると思います。
年代問わず、なんか明るいしていきたいと思っています。固定概念をあったかく壊していきたいです。
オトギデザインズ(http://www.otogi-designs.com/)
編集者の一言
先日 Tell mee times 編集部内で可愛い靴の話で盛り上がった時に色々探していると「いろばき」という大人の上履きがあるということを知りました。しかもこの「いろばき」は歩きやすく丈夫で、こんな可愛いオシャレな靴が介護の現場にあったら素敵だろうな〜と勝手に想像したのが今回大人の可愛い上履きを作っていらっしゃる『オトギデザインズ』さんを取材させていただいたきっかけです。
介護だってコミュニケーションの一つ。
取材を通し、そんなシンプルな考え方を改めて感じることができました。
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この記事の寄稿者
西山美耶/MIYA NISHIYAMA
福岡県福岡市出身
株式会社「マッシュスタイルラボ」にてブランド「gelato pique」の管理職を勤める。
退社後、フリーのアートディレクターとして雑誌のエディトリアルデザインから空間デザインまで幅広く手がける。
新介護メディア「Tell mee times」編集長