笑顔をデザイン!いつまでも自分好みのヘアスタイルで。表参道・青山出身の美容師が手がける訪問美容 株式会社 un. 〜 trip salon un. 〜 星野祐太さんインタビュー

訪問美容 , trip salon un.
Line button
2015.06.25

株式会社un. が提供する訪問美容 trip salon un.(トリップ・サロン・アン)とは

trip salon un.(トリップ・サロン・アン)は、最近テレビなどでも紹介されている話題の訪問美容サロン。表参道・青山の美容室に勤めていた美容師が病院や介護施設、ご自宅を訪れ病気や怪我、精神疾患、ご高齢で外出が困難な方や寝たきりの方などのヘアケアにあたります。今回はそんなun. の美容師で営業や人事教育も担当する星野祐太さんに訪問美容に対する想いを伺いました!

トリップサロンアン星野祐太さん

—株式会社un. 星野祐太さん
trip salon un.(トリップ・サロン・アン)のホームページ:http://c-b-un.com/

憧れの人を追いかけて美容師になった。

【中浜】まずは簡単に自己紹介をお願いします。

【星野】株式会社un.(アン)の星野祐太と申します。私どもの会社では、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームなど、いわゆる介護施設やご自宅で訪問美容サービスを行っており、開発部として現場に行ったり営業にも行ったりしています。

【中浜】敏腕営業と聞きました。

【星野】いやいや、でも高確率でとれています(笑)。いろんな人にun.を知ってもらいたいと思っています。

【中浜】初めに美容師になろうと思ったきっかけは何ですか?

【星野】バスケをやっていた7歳年上の憧れの先輩が美容師になったんです。僕が中1くらいの頃にその人が美容の専門学校に在籍していると聞いて、僕もそこに行って美容師になろうと思いました。実は人を喜ばせたいみたいな深い理由ではなく、憧れの人を追いかけてなりました。

【中浜】珍しいパターンですね(笑)。専門学校を卒業してすぐ美容師になったんですか?

【星野】そうです。一つのお店でアシスタントから始めて5年くらい働いたあと、今の会社に移りました。僕が入ったのはun.が起業してから3ヶ月目くらいで、そこからはずっとun.でやっています。

悩んだ時、「この仕事、向いているな」と自然と思ったことで訪問美容へ。

訪問美容

【中浜】美容師としてステップアップしていく中で訪問美容に入ったのはなぜですか?

【星野】ある時期、悩んでしまったことがあって、前の職場で一番信用している先輩に相談しました。その先輩がun.のCOOを務める櫻庭で、連絡をした時ちょうど会社を立てたところでした。僕はその時にはまったく介護業界や訪問美容のことは知らなかったので、「いきなり現場に行ってもわからないと思うから見学したら」と言われ見学しているうちに、自然と「この仕事、向いているな」という率直な感想が浮かび、訪問美容を目指しました。

【中浜】その時迷っていたのはどんなことでしたか?

【星野】僕が働いていたのは、東京の表参道・青山。いわゆる美容室の激戦区です。かつてのカリスマブームと呼ばれた世代の次の世代の人たちは、労働時間の面でも収入の面でも伸び悩んでいました。でも、僕は髪を切ることが好き。ほかの人は開業することで収入をアップしてやりたいことをやったりしていくわけですが、僕は、独立してもアシスタントを安い給料で雇うことになれば堂々巡りというか、悪循環だなと思っていました。そんな時に櫻庭から「こんな仕事もあるよ」と紹介してもらったことがきっかけですね。

【中浜】見学に行った時はどんなことを思いましたか?

【星野】僕みたいに介護業界を知らない人の介護のイメージは、自分の祖父母だと思います。その祖父母のイメージとはかけ離れた方もたくさんいて、正直ギャップはありました。でも、そのギャップを乗り越えるくらいのお客様やご家族からの感謝の気持ちを受け「訪問美容ってすごいな」と思いました。そしてまだまだ美容業界でも訪問美容は定着していない時期で、純粋に会社や業界を盛り上げたいなという想いがフツフツとこみ上げてきましたね。
見学してから決断するまでは早かったです。もちろんその時は美容室で働いていたのですぐにはやめられなかったのですが、休みの日のお手伝いから入るようになりました。それで3ヶ月後くらいには美容室をやめてun.一本に絞りました。

【中浜】すごい勢いですね(笑)。でもそれだけなにか想いがあったんでしょうね。

【星野】今思うとたしかに早いですね(笑)。結果、あの時の決断は正しかったと思っていますし、今すごく満足しています。

ハードワーク、決して高くない給料、それでも美容師が人気なのはなぜか。

訪問美容

【中浜】介護業界って、「仕事が大変」とか「離職率が高い」とかよく言われますが、僕は美容師の方が大変なんじゃないかなと思うんですよ。拘束時間は長いし、立ち仕事だし、給料だっていい人はいるかもしれないけれどなりたての人はすごく低いですよね?周りでもやめてしまう人は多いですか?

【星野】美容専門学校のクラスメイトが40人いたとしたら、ちゃんと美容師として今も働いている人は10人もいないんじゃないでしょうか。美容師免許が必要なアイリスト(まつ毛エクステなどを施す職業)に移った人もいますが、ほとんどは違う仕事をしています。女性はお子さんが生まれた時に難しくなって離れていってしまう人も多いです。

【中浜】美容室で働いていた時は何時間くらい働いていましたか?

【星野】一番長いケースでいうと、朝4時半集合。前に働いていた美容室は雑誌の撮影のヘアメイクなどもしていたので、4時半にモデルさんが来てヘアメイクをやって、お昼頃にその撮影が終わって、そこからサロンワークに入ります。サロンは閉店するのが夜の10 時なのでそれまでずっと。閉店したあと、美容師は練習するんですよ。それで結局家につくのが夜12時でしたね。
美容師は師弟関係で成り立っているので、師匠の技術を教えてもらっているから長い時間働くし、練習もするし、お給料が少ないのが当たり前。それはそれでいいですけど(笑)、やっぱり大変ですよね、若い人たちは。
だから25歳くらいでみんな悩みが出てくる。その頃スタイリストデビューして、そこで売上や自分の実力がわかってくるんです。そうするとこのお店でいいのか、このまま美容師でいいのか、という悩みが出る。そこで僕は訪問美容や介護業界を知ることができたので今こうなりました。

【中浜】美容師も介護職も離職率はすごく高いけれど、おそらく美容師は目指す子どもたちがすごく多い。これはなぜでしょうね?

【星野】やはり華やかさがあるんですよね。中高生が最初にファッションやおしゃれに目覚めた時、身近にいるおしゃれな人といえば美容師さんです。そうなると美容師のことが気になり出すし、美容師になれば自分の髪型も好きにできるとか考える。美容師は「憧れる」職業なんだと思います。

「本当に若返った」という手紙をもらったこと。

【中浜】訪問美容のやりがいはなんですか?

【星野】お客様に喜んでもらえること、それにつきます。なかなかご自身で外出ができない方や要介護5で寝たきりの方など、すごく素直に感情を返してくれます。普通のサロンでも「ありがとう」と言ってもらえますが、より心が温まる「ありがとう、ありがとう」というような。それがモチベーションになっています。あと、ご家族からお手紙をいただくこともあります。「昔からおしゃれだった母親が施設に入ってパーマもできないし白髪になってしまった。それが訪問美容でカラーもパーマもできるしデザイン性の高いものもできるし、本当に若返った」と言っていただきました。やはり美容の力はすごい。美容で介護業界に微力ながら貢献できればと思います。

【中浜】訪問美容とサロンワークの違いはなんでしょう?

【星野】サロンワークはヘアデザインをしっかりしてトークで楽しませるだけかもしれませんが、訪問美容だとそれ以外のプロセスに踏み込めていると感じます。ご家族様やスタッフさんのいろんな情報を聞いてそのお客様のヘアケアに携われるのは楽しいです。
それから、訪問美容で元気になっていく方もいますが、ターミナルケア(終末期)の方を担当することもあります。100歳超えている方など、「長い人生の最後の髪型がダサかったらすごく嫌だろうな」という単純な思いでしています。ターミナルの方を担当すると、「次やれるかわからないな」と、いつも以上に力が入ります。最後も素敵な髪型で送り出してあげたいというのは、普通の美容師さんにはないやりがいです。

【中浜】仕事内容でも違いはありますか?

【星野】お客様に出会うところまでのプロセスが違いますね。営業が必要です。美容師はスーツを着て営業することはないので、僕自身がつまずいた部分でもあります。名刺の交換の仕方もわからないですから。あと、訪問だとスケジュール管理や後日請求の事務手続きなど、お客様と接する場面以外でも数々の違いがあるなと感じています。

心配り、気配り、目配り、手配り、体配り。それができる美容師にもっと介護に進出してほしい。

訪問美容

【中浜】訪問美容だからこそ気をつけていることはありますか?

【星野】車いすや寝たきりの方のカットに対する注意点や高齢者特有の病気の知識、それから危機管理。みんなで話し合ったり、中浜さんに以前開いていただいた介護講習など常に介護の視点でレクチャーいただいたり、勉強しながら技術を高めていこうとしています。カットの技術は同じですが、やはり高齢者の命をお預かりしているという緊張感は常にありますね。

【中浜】訪問美容をやりたい人たちや美容師をやっていて悩んでいる人たちが増えてくると思うのですが、どんな素質を持っていたら訪問美容に向いていると思いますか?

【星野】僕は、美容師さん全員が向いていると思います。訪問美容に必要なことで「5配り」と呼んでいるものがあるのですが、まずは「心配り」「気配り」「目配り」。それと、美容師は「手配り」です。コームの当て方一つでも、毛量が少ない方だと強くとかしてしまうと痛いので優しくお髪をとかしたり。ブローなどはテンションをかけ過ぎずにボリュームをつけることを意識しております。あとは「体配り」。すっと体が動くというのはアシスタント時代に培われています。足りないものがあればすぐ取りに行くし、コームが落ちていたらすぐ洗い、消毒にいくし、お客様がキョロキョロしていたら新しい雑誌をすぐに取りにいく。その「5配り」を美容師は自然と培っていると思います。そういうスキルを持っている美容師なら訪問美容の素質があると思います。もちろん綺麗事だけじゃない部分もたくさんあるので合う・合わないはあるかもしれませんが。訪問美容だけでなく、介護士さんにも向いていると思います。

【中浜】心配り、気配り、目配り、手配り、体配り。これは美容師ならではかもしれないですね。

【星野】僕のいたサロンだと16席くらいあり、常に10個以上の仕事を考えながらやっていました。ブローをしながらほかのお客様を見たり、次にカットに入るお客様を見てシャンプーしたり。そこまで考えられる美容師にはもっと訪問美容や介護に進出してほしいなと思います。

サービスを選ぶのはご利用者様。その選択肢を増やしていきたい。

【中浜】これからun.の一員としてどんなことを実現していきたいですか?

【星野】今もたくさんのお客様にご利用いただいていますが、これを多くのお客様に体験していただきたいです。訪問ネイルも始めたので、サービスのバリエーションを増やしていって求められるものをもっともっと広げていきたいですね。

【中浜】今は施設と、在宅も行っているんですか?

【星野】個人のお客様のご自宅にも伺っています。訪問入浴のサービスをご利用されているお客様は業務提携させていただいている会社様があるので、入浴する1時間前に僕らが訪問してカットしたあとにお風呂に入ってもらいます。その時に僕たちが使っているオーガニックのシャンプーをプレゼントするととても喜ばれますね。切った髪の毛もお風呂で落としてもらうので、いい流れになっています。

【中浜】近頃は美容師をやりたい若い人たちや子どもたちが訪問美容に目を向けるきっかけ作りができていますね。

【星野】4月にNHKに取り上げてもらったことがきっかけで、中学校の校長先生から講演の依頼をいただきました。やはり訪問美容や介護のことをもっと知ってもらうことが重要だと思っています。サービスを選ぶのはご利用者様です。その選択肢を増やしていきたい。よりよい介護業界を作ることに少しでも協力できたらいいなと思います。

美容室に来た時の高揚感・ワクワク感を体験できるのがun.の強み。

訪問美容

【中浜】これから訪問美容が増えてくると選ばれる会社になっていかなければならないと思いますが、un.の強みは何ですか?

【星野】質の高いサービスです。質の高さを維持するため教育に力を入れたり、使用する商材や空間作りにも気を使っています。アロマディフューザーやインテリアもおしゃれなものを持ち込んで、本当に美容室にきたように、訪問美容というよりもtrip salon un.の美容室にお客さんがきたように。美容室にきた時のような高揚感やワクワク感を、いくつになっても外出が困難になっても体験できるサービスを提供するというのが僕たちの強みです。営業がとれるのも僕がすごいのではなくun.のサービスがすごいからだと思っています。一度の打ち合わせで契約につながることは難しくても、体験していただいたら必ず結びついているので。それだけ僕たちの訪問美容を見たらみんなさん「すごいね、これ」とびっくりされる。そういうサービスを提供できているというのが強みだと思います。
これからどんどん規模を大きくしていき、どんなところでも提供できるようにするというのが目標です。表参道・青山出身美容師がやっているというのが売りだと自分たち自身はそこまで感じていないですが、一人の美容師として質の高い訪問美容サービスを提供できればと思っています。

訪問美容

編集者からの一言
年を重ねてもいつまでも自分らしく、自信を持っていくことの大切さを感じ、さらに誰かに見てもらえるという状況から、外に出たくなるきっかけが美容から生み出されているのだと再認識させていただきました。美容師さんの5配りは介護職にとっても勉強になる視点ではないかと思います。訪問美容師さんと介護職を一緒になってご利用者さんや家族の生活のデザインのお手伝いが広げていきたいと思いました。

と思ったら、友だちに共有しよう。
介護のほんねニュースをフォローする 

関連リンク

Facebookコメント

寄稿者

編集者画像

中浜 崇之

二代目編集長。介護福祉士、ケアマネジャー。2014年に世田谷デイハウスイデア北烏山を立ち上げる。2010年より「介護を文化に」をテーマに介護ラボしゅうを立ち上げ運営中。(http://kaigolabo-shuu.jimdo.com/