相手のことをキチンと理解していますか?
高齢者が道をゆっくり渡っているのを見かけると、「間に合うかな」「危なくないかな」とひやひやして目を離せないことがあります。体が思うように動かないことくらいは想像はできるのですが、自分自身が経験しているわけではないのであくまで想像の域を出ません。
でも、相手と同じような似た状況を体験できればもっとその人に近づけそうですね。そこで今回は3つの疑似体験をご紹介します。
なってみて初めて分かる大変さ ~高齢者体験~
埼玉県の介護すまいる館では、80歳の高齢者の身体状態を体験できる高齢者疑似体験セットの貸出しを行っています。
出典:http://www.fukushi-saitama.or.jp/
これらを全て装着すると体のあちこちに重だるさを感じ、目も耳も十分に機能を果たしていないことが分かります。青信号のうちに横断歩道を渡り切れなかったり、車のクラクションに反応が鈍くなったりするのも仕方のないことだと思えてくるでしょう。
乗ってみるとちょっとこわい!? ~車椅子体験~
車椅子に乗ってみると立っているときよりもはるかに目線が下がり、高いところにあるものに手が届かないことに気づきます。人と話すときは相手がこちらを見下ろすような形になるので、相手にその気がなくても威圧感を感じてしまいます。車椅子に乗っていると少しの段差やでこぼこも強い振動となり、前輪が引っかかれば身動きがとれません。少しの傾斜でも随分傾いているように感じ、実際に転倒の危険性もあるのです。
出典:http://www.sagamiharashishakyo.or.jp/
赤ちゃんを守るママって大変! ~妊婦体験~
出産を控えた両親が出席する両親学級などでは、腹部に大きな重りのついた妊婦ジャケットを着て妊娠時の状態を体験することができます。実際にお腹に7〜8キロのものがあると、家事ひとつ済ませるにも結構な労力を使います。足元が直接見えないので慎重になりますし、転ばないように気を使って動かなければなりません。
3つの疑似体験、いかがでしたか?
これらの体験は相手の置かれた状況をきちんと把握するのにとても役立ちます。そしてそれはケアを提供する時以外にも、全ての人が安全快適に過ごせる街づくりのヒントにもなるでしょう。
相手の立場で考える力を養う疑似体験、機会があればぜひチャレンジしてみてくださいね。
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この記事の寄稿者
チヴェッタ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。