高齢者の誤飲に要注意
誤飲とは「食物以外の物を誤って口から摂取すること(「日本気管食道科学会」より)」をいいます。子どもに多いと思われがちですが、実は高齢者の方も要注意なんです。最近はパッケージ裏面に「認知症の方の誤飲に注意」等の注意書きが添えられた洗剤を見かけるようになりました。食べ物とそうでない物の区別がつきにくかったり、異食傾向のある認知症の方はもちろん注意が必要。そしてそれ以外の方だってついうっかりはあり得ます。
高齢者の方の誤飲に多く見られるパターン、そしてちょっと珍しいパターンをご紹介していきます。
うっかり誤飲といえば「魚の骨」「薬の包装」!
高齢者も大好きなお魚。ご家族もあらかじめ大きな骨は取り除いておくなどの配慮をされているでしょう。でも、気を付けたいのはむしろ小骨のほうです。もしのどに刺されば「ファイバースコープ下に特殊な器具を使って取る(医師たちがつくるオンライン病気事典「MEDLEY」より)」必要もでてきます。ご飯の丸のみで対処しようとする方もいますが、これは逆に骨が食い込んだり傷口を広げることにつながるのでおすすめできません。傷口から感染症を起こすこともありますので、たかが魚の骨とあなどって放置するのは禁物です。
また、薬を包装ごと飲み込んでしまい、「手術で異物摘出の上、排膿や感染壊死組織除去、長期間の抗菌薬点滴(医師たちがつくるオンライン病気事典「MEDLEY」より)」といった事態に発展したケースも。これが原因で食事がとりにくくなり、胃ろう処置をした方もいるようです。周囲の方は、服薬したかだけでなく包装が残されているかも確認をしておきたいですね。
まさかの誤飲といえば「入れ歯」!
また、認知症の方の中にはとんでもない物を飲み込んでしまったというケースも…!
それは入れ歯です。のどに引っかかった入れ歯が邪魔をして食べ物や唾液が通りにくくなれば、誤嚥性肺炎や窒息の原因に。消化器官にたどり着けば自然排出されることもありますが、そうでなければ外科手術です。
さらに認知症患者さんの場合は入れ歯を飲み込んだことにすら気づかず、「かなり時間が経ってから呼吸困難で救急搬送された症例(医師たちがつくるオンライン病気事典「MEDLEY」より)」もあるのです。
日常生活に潜む誤飲の危険
たばこや洗剤などは直ちに健康被害が出る誤飲の代表格。でも、魚の骨や薬・入れ歯などの例を見る限り、案外身近なもので大事に至るケースも少なくないようです。
食事中や服薬中の見守りはもちろん、原因不明の体調不良や食欲不振があれば、「もしかして誤飲?」と疑ってみる勇気も必要ですね。
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この記事の寄稿者
ポッポ
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。