トイレのトラブル「なんでもっと早く教えてくれなかったの!」をなくす排泄予知ウェアラブルDFreeトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社中西敦士さんインタビュー!

尿漏れ , クラウドファンディング , 排泄ケア , DFree
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2015.07.11
DFree

あのトイレのトラブル・・・

もう少し早く気づいていたら間に合ったのに・・・!という経験、介護でも子育てでも、ひょっとしたらご自身でもあるという方は少なくないのではないでしょうか。おなかにつける小さなウェアラブルデバイスとアプリがあれば次の排泄がいつかわかるようになる!?そんな夢を可能にする「DFree(ディーフリー)」の開発に挑むトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 代表取締役 中西敦士さんにお話を伺いました!

中西敦士さん

—トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 代表取締役 中西敦士さん

自分が漏らしたことで開発を思いつく。

【横尾】まずは中西さんの自己紹介をお願いします。

【中西】トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社代表取締役の中西敦士です。現在、トイレのタイミングを事前にスマートフォンにお知らせするデバイス、DFreeの開発をしています。主に、尿漏れやお通じでお悩みの方や、介護等で排泄ケアをされている方々の負担を軽減することを目的にしています。

【横尾】これまでにない、画期的な商品の開発に取り組まれているのですね!開発をしようと思ったきっかけはありますか?

【中西】はい。海外に留学していたのですが、2年前の9月に突如引越しすることになり、その作業中に急に下痢に襲われ、我慢しきれずに路上で大量に漏らしてしまいました。その時の悔しさや恥ずかしさ、自分でその後片付けをしている際の辛さ、この悲劇は地球上で二度と繰り返されてはいけないと身にしみて体感し、何とかできないかと考え出したことが開発のきっかけです。
そして、排泄の漏れをどうにかしたいと考えた時に、自分で気づく前などの余裕のある時間の前に知ることができる、もしくは第三者が対応できる時間の前に知ることで、ある程度防ぐことができるだろう!というアイディアにたどり着き、開発しております。
こちらが、DFreeです。

DFree

【横尾】思ったより小さくて軽いんですね。DFreeが実用化されたら具体的にどんなことができるのですか?

【中西】DFreeは、超音波で体内の様子をモニタリングし、尿や便のタイミングを排泄前に察知して、スマートフォンにお知らせします。
使い方は、こちらのデバイスを下腹部に装着し、専用のDFreeアプリをスマートフォンにダウンロードして頂くだけです。下腹部への装着は、現在はシールやベルトでカバーすることを想定しています。

ただ介護者をラクにさせるためだけではない、介護現場での可能性。

【横尾】現在は実用化に向けた研究段階ということですが、どんなことをされていますか?

【中西】現在、日本最大のクラウドファンディングの「Readyfor?」にて開発を進めるための資金を集めています。7月23日までに(残り1週間ちょっと!)で300万円が集まらなければ開発は遅れてしまうのですが、その資金で試作機を開発し、介護施設で実際に介護を受ける方のQOLが向上するのか、もしくは介護する側の負担は軽減するのか、を検証するためのトライアルを実施する予定です。初期の試作機は、主に排尿のタイミングをお知らせし、次に便のたまり具合のお知らせ、ゆくゆくは排便のタイミングをお知らせできるように、開発をすすめていく予定です。

【横尾】介護を受けている方はもちろん、自宅で親の介護をされている方や施設で介護の仕事をされている方など、介護の現場ではDFreeのような技術の登場を待ち望んでいる方がたくさんいらっしゃると思うんですよ。どんなシーンで役に立つか、なにか考えていらっしゃることはありますか?

【中西】介護の現場では、排泄ケアに関するトラブルや負担が大きな課題になっています。そして、管理のしやすさからオムツを利用していることや、また、作業の空いた時間にトイレ誘導を行うなど、介護する側の理由で排泄ケアが行われていることがあると思います。それはやはり「排泄のタイミングがわからない」ことが主な理由だと思いますが、介護を受ける側は必ずしも満足してはいないケースもあるかと思います。DFreeを使ってまさしく「排泄のタイミングが事前にわかる」ことで、介護される側に合わせた排泄ケアができるようになると考えています。そして、介護者が毎回「なんで言ってくれなかったの!」と喧嘩することも少なくなると考えています。

また、施設などでは夜間の転倒事故がありますが、その多くが、介護を受ける方が自分でトイレに行く途中で起こっています。DFreeがあれば、夜間で人出が少ない中でも、トイレ誘導のタイミングが分かることで、こういった事故のリスクを減らすことが、大きな負担になることなくできるようになると考えています。

DFreeによってトイレの準備に十分な時間ができるために、自分でトイレに行こうと思うようになる方々も現れると思います。やはり、最期まで自分でトイレに行きたいと思われる方々が多数であり、自分でトイレに行くことによって自信や尊厳を取り戻してほしいです。

【横尾】一方で、今は介護者の勘や経験を頼りにしているからこそ、どうにかなっている現場もあるかもしれませんね。

【中西】DFreeが完成したとしても排泄ケアの負担が全て解消されるわけではなく、やはり個人に合わせた排泄ケアが必要であり、介護者の勘や経験が必要になると考えています。あくまでも、排泄ケアを助ける、一つの目安を教えてくれるデバイスであると。例えば、現状のDFreeでは下剤が効きすぎて「あと3秒で出る」ような状態をお知らせすることは、そのお知らせをする意味があるのかどうかも含め、難しいです。また、やはり排泄のタイミングは、最後は個人の感覚のところに依るため、排泄の漏れを完全に防ぐのは難しく、オムツの方が完全にパンツに戻れるかどうかはまだ分かりません。ただ、これらを実現するために開発を進めます。

排泄で悩んでいるのは介護現場だけではない。

【横尾】排泄ケア関連のウェアラブルデバイスってほかにもあるんですか?

【中西】排泄を事前に察知し教えるという技術は世界初であり、特許も出願しています。似たようなデバイスとしては「漏れたあと」を教えてくれるおむつセンサーや、残尿量を測定する医療機器である尿量測定器はあります。

【横尾】排泄ケアで悩んでいる方は介護現場以外にもたくさんいらっしゃると思います。お子さんのトイレトレーニングなどでも使えるのですか?

【中西】育児のトイレトレーニングも親御さんがお子さんの表情から便意や尿意を察知しトイレに連れていくということで行われており、職人技が活きているのだそうです。実際に、トイレに間に合わず便器の手前で漏れてしまうケースもあるそうですので、DFreeは十分に役立つと考えています。
その他、便意や尿意を感じられない脊椎や頚椎を損傷された方々や、大腸がん手術後の方々の「漏れ」を減らすのをサポートすることもできると想定しています。

【横尾】個人的には映画を観に行った時などに途中でトイレに行きたくなったらどうしようと不安になるのでそういう時にほしいなと思いました(笑)

【中西】一般の方でも、横尾さんのように途中でトイレに行くのが不安という理由で、映画館にあまり行きたくない、バス旅行に参加したくない、という方々もいるかと思いますが、安心感を与えるためのデバイスとしても活用してもらえると考えています。あとは、ピクニックやダイビング、運転中など、長時間トイレから遠ざかる前に事前にトイレの時間を知れるというのは便利だと思いませんか?そんなシーンでも活用できるのではと思っています。

資金調達と、実証実験の協力が必要。

【横尾】順調に研究が進んだとしたらいつごろ実用化されるのでしょうか?

【中西】今月中には初期の試作機が完成し、検証を繰り返しながら実用化を目指します。第一弾の出荷は来年の4月を目標としています。この実用化の開発のための資金や、ご協力いただける介護事業者の方々を募集するために、「Readyfor?」にてクラウドファンディングを実施しています!

【横尾】クラウドファンディングの期限は、あと12日しかない!ということですね。

【中西】ぜひ、DFreeをいち早く実用化した方が良いと思ってくださる方、ご支援をお願いします。残り1週間ちょっとで300万円を集める必要があります。また、クラウドファンディング後も、DFreeの検証にご協力いただける介護事業者の方々も募集しておりますので、連絡を待っております!

https://readyfor.jp/projects/DFree

【横尾】トリプル・ダブリュー・ジャパンとして、DFree以外にも今後どんな展開を考えていらっしゃいますか?

【中西】DFreeの最初の記事が出た時から、おかげさまで多くの方より反響やお問い合わせをいただいております。すでに、世界20カ国以上から問い合わせがきている状況です。その理由としてはやはり「今までなんとなく分かっていたことが、数値で分かる」ということだと思います。ですので、食欲や老化や病気、寿命なんかも、「いつくるか分からないから、なんとなく不安」を少しでも解消するため、「すべてを予測する」ような事業を展開していきたいと考えています。これによって、預貯金や保険や年金など、多くの方々の生き方が「より自分らしく」設計できるようになると考えています。

【横尾】最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

【中西】DFreeの開発をすすめ、排泄で困っている方々の負担を、必ず軽減します。ご協力・ご支援、何卒よろしくお願いいたします!

編集者からの一言

中西さんからは素直に困っている人の力になりたいという強い気持ちを感じました!排泄ケアといえば頭を悩ませている人もたくさんいらっしゃると思います。こうしたデバイスの力を借りながらできるだけ自立した生活を維持できるような時代に早くなってほしいです。(横尾)

DFree実用化に向けた資金調達に協力したい方はこちら
https://readyfor.jp/projects/DFree

実証実験への協力を希望する介護施設はこちら
dfree@www-biz.cohttp://dfree.biz/

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横尾千歌

介護のほんね」ディレクター。介護の用語や介護関連の仕事のこと、高齢者向けの住宅事情など、今まで縁遠かった人でも読みやすいよう図や絵とともに情報を発信します。

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