インタビュー

入居者が望んだことを叶える努力をする"愛の家"に行ってきた

入居者の今までの生活習慣を大切に考える"愛の家"のホーム長に取材しました。

メディカル・ケア・サービス株式会社 愛の家日野万願寺 ホーム長 森利典さん
「認知症分野のリーディングカンパニー」に向け、日々ケアサービスの質の向上に取り組み、認知症ケアの専門性、信頼性を高めるための体制を構築しているメディカル・ケア・サービスの愛の家グループホーム日野万願寺の森ホーム長に現場の想いを伺いました。

ご自宅で過ごすように、やりたい事をやってもらうホーム

【森】職員も今年の2月に7~8割は新しく採用しました。その中の1/3は無資格未経験で介護の仕事をしたことがなかった方々なんです。最初はすごい大変でしたけど、どうにか形になってきたと思います。

【工藤】先ほど施設を拝見させて頂いて、対応ややり取りがとても和やかで、スタッフの方々はお家の中でおじいさんおばあさんと接している様な雰囲気でした。

【森】そんな褒めて頂いて(笑)

【森】まさにそれが目指す姿です(笑)

【森】ご存知の通りグループホームというのは少人数ですし、どうしても閉鎖的になってしまうんです。僕としては、閉鎖的になって外から見ても何をやっているか分からなくなるのは嫌なんです。このグループホームには、ケアマネさん、見学に来た方、市役所の方や今回のような取材の方等、色々な方が頻繁にいらっしゃいます。なので、職員はもちろん、入居者の方々にも外部からいらっしゃった方々にオープンに接して頂けるよう働きかけをしています。また、来た方々に対してオープンに接するだけではなく、入居者の方々にはどんどん外に行って頂いてます。近所のお祭りはもとより、高齢者の方々が集まるサロンや教室等に職員と一緒に出かけて行ってもらってます。だいたい3〜4人くらいで出かけて行って普通の方に混ざって体操とかしてます。

【工藤】本当に家で生活しているみたいですね。

【森】それを一番心がけていますね。

【工藤】なかなか外のプログラムに参加していくところはないですよね。

【森】そうですね。それだと煮詰まっちゃいますからね・・・

【工藤】今日の園児の訪問とか「いらっしゃーい!待ってたよー」みたいなリアクションしてて、すごいオープンな印象を受けました。

【森】ただ、来てもらうだけじゃなくて、どんどん外に出ていく流れも必要ですね。今は幼稚園の運動会の予行練習とかに招待してもらったりしてます。みんなで客席に並んで練習見るんです(笑)他には、訪問美容で表参道から美容師さんをお呼びしていたりと、まぁ、考えつくことは全部やってみようという方針のもと外に出たり招き入れたりと色々な事にチャレンジしています。

向き合うお客様へのサービス品質にこだわる姿勢

【工藤】会社として全ホーム共通のビジョンがある他に、ホームそれぞれのユニークな理念とかはあるんでしょうか。

【森】あります。会社として「高齢者がいつまでもいきいきと暮らせる社会を創りたい」というビジョンを掲げつつも、その体現方法というか、やり方という意味でホームそれぞれが理念を持ってやっています。うちのホームは「入居者が望んだことは叶えられるようにしよう!」という理念、別のホームはそれぞれの土地柄や地域習慣に合わせて違う理念を持っています。

【工藤】ホームそれぞれの理念とか、それに添って行われている工夫とかは共有される場があるんですか?

【森】そうですね。月に一度同じエリア(5ホーム)のホーム長たちが集まって情報共有の場を持っています。

【工藤】森さんはなぜメディカル・ケア・サービスに入社されたんですか?

【森】これは僕がスタッフの面接時に実際に言っていることでもあるんですが、グループホームって市区町村の管轄になっているので、サービス自体に信頼が無いとそもそも全国にたくさんの施設を展開できないんです。そういった意味で、弊社の規模自体が市区町村の担当の方々にある程度信頼を頂いている証拠であるということ。あとは会社のスタンスが前述した通りのビジョンを掲げていることもあり、売上げももちろん大切ではあるんですが、現場が向き合っているお客様に対して、ちゃんと良いサービスを提供するということを第一に考えている会社だったからですね。私はあまりこういうスタンスを明示している会社に出会ったことがなかったので・・・あと、ホーム長だけが売上げにコミットしているのではなく、マネージャーや営業担当が協力して売上げにコミットしているので、上からも下からも横からもプレッシャーをかけられるような孤独感は無いですね。

ホーム長は、自分の施設が好きなんだそうです。

【森】僕は自分でホーム長やってて何なんですが、ここ好きなんですよ(笑)たぶん職員に聞いてみても、ここが好きだって言ってくれると思ってます。

【工藤】なんて良い言葉なんですか(笑)

【森】自分のいる職場が嫌で嫌でたまらないって、きついじゃないですか。

【工藤】好きでいれてる理由って、なんですか?

【森】さっき、売上げとか悩みは営業担当とかマネージャーと共有できるって話したと思うんですが、この施設をどうしていきたいとか、今こんな課題感があるからこう解決していくべきということを、ユニットリーダーをはじめみんなで分かち合えて、みんなで考えて作り上げているからですね。そういうメンバーがいることが一番の理由ですね。

【工藤】今日、園児さんとかもいらっしゃってましたが、地域との繋がりってどう捉えているというか、なぜ大切だと思ってらっしゃるんですか?

【森】グループホームが建つということに対して、近隣の方々はそんなに良い印象を持ってらっしゃらないんですね。よく分からないので恐いという印象を持つ方が多いように感じます。それでですね、入居者の方々にホームの周辺のお掃除を手伝って頂いたり、警察署から交通安全の旗をお仮りして横断歩道の誘導をしたりしています。狙いとしては、「なんか普通の方々だな」と周囲の方に思ってもらうことです。普通にご飯を食べに行って、普通にお買い物をして、散歩をして、地域の交流サロンに行って、体操してカラオケして・・・そういうように地域と普通に関わることをどんどんやっています。

施設の風景

取材当日はハロウィンで近くの幼稚園の子どもたちが遊びに来てました。 生活習慣を尊重した日常生活は、入居者の方々を笑顔を引き出していました。 昼食の支度は、専門の調理師さんと入居者のおばあちゃんが。 このフリースペースが、美容室、雀荘、書道展覧会場になるそうです。 アットホームな雰囲気の象徴 @リビングからのキッチン

編集者からのひと言

愛の家を訪問して初めに感じた入口の印象と、ホーム長の話しを聞き施設見学をし、利用者や地域の人との触れ合いを通じて、施設を後にした出口の印象とがいい意味で変わらない施設。利用者も施設職員も地域住民も外部のインタビュアーも、ありのままのフラットでいられる空間がそこにはありました。閉鎖的になりがちなグループホームを、無理なく自然なかたちで地域に開放することで、利用者と地域住民との外の繋がりをつくる。在宅で生活されていた時のご近所づきあいを、施設入所後も大切に想う、このアットホームな施設運営は見習うべきものでした。(工藤)
工藤裕也

この記事の寄稿者

工藤裕也

介護のほんねニュースの街角インタビュアー。主に小地域福祉活動を中心とした「草の根の活動」をされている方々にスポットをあて、ほっこりと温かみのある情報を発信します。

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