いまや10人に1人が低出生体重児として誕生
低出生体重児とは、出生時の体重が2500gに満たない赤ちゃんのこと。かつては未熟児と呼ばれていました。近年、日本では低出生体重児として生まれる確率は増加傾向。平成21年のデータによると、赤ちゃんの約10人に1人が低出生体重児として生まれてくるといわれています。日本の出生数は年間約100万人ですから、そのうち約10万人が低出生体重児となります。こうやってみると、決して珍しいことではないようですね。
低出生体重児となる原因はさまざま
低体重児となる理由は大きく分けてふたつ。予定よりも早く出産した場合と、なんらかの原因があって胎児がうまく育っていない場合です。
早産となる原因は、妊婦の喫煙や栄養不足、歯周病、子宮頸管無力症、妊娠高血圧症候群などさまざま。なかには原因がよくわからない早産もあります。また、妊婦が命にかかわるような状態である場合など、母体の健康状態を考慮して出産の予定を早めることもあります。
低出生体重児と高齢出産の関係は?
低出生体重児が増えている理由に、近年の晩婚化により急増している高齢出産との関係を指摘する声もあります。高齢出産とは35歳以上で出産すること。いまのところ、高齢出産が低出生体重児が生まれる直接的な原因ではないと考えられています。けれども高齢出産の場合、早産の原因となる妊娠高血圧症候群にかかるリスクが20代のおよそ1.8倍と言われています。これは決して無視できない数字です。
低出生体重児が元気に育ってくれる確率はとても高い
予定日よりも早く生まれたり小さく生まれた赤ちゃんは、体の機能が未熟です。さまざまな合併症を起こしやすく、医療のサポートを受けながら乗り切っていかなければなりません。
とはいえ、日本で産まれた小さな赤ちゃんたちが助かる確率はどんどん高くなっています。1980年代では1000〜1500g未満の極低出生体重児で生まれた赤ちゃんの20パーセントが命を落としていましたが、2000年には3.8%まで減少しました。
小さく生まれても、赤ちゃんの生きようとするパワーははかり知れない
低出生体重児として生まれた赤ちゃんたちが生きていくには、医療の助けが必要です。また、低出生体重児として生まれた場合、自治体や病院がサポートしてくれることもあります。たくさんの協力を得ながら、小さな赤ちゃんは大きくなっていくのです。
しかし、それだけではありません。赤ちゃんたちが生きようとするパワーははかり知れません。小さな体に宿る力強い生命力こそが、彼らの未来を明るくしているのかもしれませんね。
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この記事の寄稿者
シノヅカヨーコ
家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らしです。 子育てをしながら育児や暮らしにまつわる話題を中心にライターとして執筆活動をしています。