イマドキ、教員になるには介護の体験も必要だった!
「平成9年介護等体験特例法の概要」という法律があります。小中学校の教員をめざすことがなければ知ることがなさそうな、この法律。「当面、小学校及び中学校の教諭の普通免許状取得希望者に、介護等体験をさせる」ことを目的としています。
なぜ、小中学校の教員をめざす際に介護等体験が必要ということになったのでしょうか。
教員になるのに、なぜ介護等体験が必要?
日本は少子高齢化の真っただ中にあります。3世代同居があたり前だった一昔前と比べると、核家族化は進み、高齢者のみの世帯も増加傾向にあります。そのため、これまで以上に社会全体が連帯し、超高齢社会をはじめとするさまざまな問題を乗り越えていくことが求められています。
そのような社会を実現するためには、今の子どもたちにも学校で介護のことをきちんと教える必要があります。ですが、教員となる人が介護に触れてこなかったとなると…。教えられることは限られてしまいますよね。介護を「体験する」ことで、児童や生徒に教えられることの幅がぐんと広がる、つまり「教員の資質向上及び学校教育の一層の充実を図る(『平成9年介護等体験特例法の概要』より)」ことができるのです。
介護等体験の中身とは
平成10年度の大学入学者から適用となった介護等体験。盲・聾・養護学校、社会福祉施設などで合計7日間以上おこなうことが義務付けられています。ただし、「介護等に関する専門的知識等を有する者や障害により介護等体験が困難な者は免除」されます。(『平成9年介護等体験特例法の概要』より)
介護実習というわけではないため、見学や生徒・入居者との交流が主になります。おやつや給食の配膳、認知症患者の手指の運動を手伝ったりといったお手伝いをすることもあります。また、その人の障害に合わせたケアを実際にするという、ベーシックだけれども難しい方法を学んだ人もいるようです。
介護等体験で、よりよい社会づくりの第一歩に
介護等体験で学ぶことは、介護する側も、介護される側も同じように大変だということ。だからこそ、両者にやさしい社会づくりが必要となります。 そんな社会づくりを担っていくのが、今の子どもたち。教員は自らの介護等体験をもとに小中学校で子どもたちに教えることができます。教員志望者の介護等体験は、社会全体の心のバリアフリーの第一歩なのです。
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この記事の寄稿者
ロビン
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。