寄稿

父の介護を10年間。私のカイゴ回顧録 ~介護のはじまりは、病気でした [後編]

病気を抱えた要介護者は、なかなか厄介な状態になってしまいます。

父の介護を10年間

容体の悪化と在宅介護の難しさ

要介護者となってからの父は、徐々に徐々に何かができなくなり、何かが衰え、そしてまた別の病気の症状が現れるという、いたちごっこのような状態になっていきました。
肝臓の悪化の影響で昼夜が逆転していたので、夜中にトイレに何度も行き、その度にお風呂を使う、耳も遠くなっていたので大音量でテレビを見ている等、昼夜を問わず何かしらの生活音がしていることは当たり前。

気になったことがあると、夜中に起こされることもありました。ほしいものをついでの時に買ってきてほしいとか、テレビやエアコンのリモコンがないなど、大抵は大したことではないのですが、年に何回か、大きなことが起きました。

父と母両方のサポートを一人で抱え込んだ

仏壇の天井を焦がしたこともありましたし、肝機能障害の影響で意識障害を起こし、トイレがわからなくなったり廊下の電気を何度もつけたり消したり、ある時はお風呂で立てなくなって呼ばれたこともありました。救急車のお世話になったことも。

私の寝不足生活は当たり前のことになり、病院から直接仕事に行くことも珍しいことではありませんでした。この間は父だけでなく母も介護のストレスから体調を崩したり、脊椎や股関節の手術等を受けたりということがあり、一時は一人で父の介護と母の入院生活のサポートをしなければならないときもありました。(今思い返してみると、我ながらよくやってきたと思ってしまいます)

介護を終えてもなお残る疲労

いつ終わるかわからない介護続きの毎日に、仕事・介護・自分の生活のどれかを辞めたら楽になるのではないかと、心が折れてしまいそうになる時も何度もありました。振り返ればあっという間だった気がしますし、思い出せないほど長く大変なことばかりの年月だったような気もします。

「介護をされていたご家族の皆様、亡くなって何回か法要を済ませると、介護をしていた年月はとても大変で、あんなにも悪口や愚痴を言っていたのに、いい思い出しか話さなくなります」これは、父の一周忌法要の時のお坊さんの法話。もう少しすれば、私にもそんな日がやってくるのでしょうか…

※このシリーズは来月以降も続きます。

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    佐久間 理央

    この記事の寄稿者

    佐久間 理央

    POLE・STAR株式会社ディレクター
    大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
    私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
    主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

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