そもそもCCRCってなに?
CCRCという言葉を聞いたことはありますか?
「Continuing Care Retirement Community」の頭文字を取ったもので、1970年代にアメリカで増え始めた高齢者地域共同体(コミュニティ)のことです。
CCRCの大きな特徴は、
などが挙げられます。老人ホームのような「家」に移り住むのではなく、「地域」に移り住むという考え方といえます。アメリカでは住居、ショッピングセンター、娯楽施設、病院など生活に必要な施設を揃えた小さな街のようなCCRCもあります。そんなアメリカで浸透するCCRCを、日本でも取り入れようという動きがあります。
日本版CCRCとは?
では、現在議論されている「日本版CCRC」とはどういったものなのでしょうか?
有識者会議の構想によると、日本版CCRCの意義として以下の3つを挙げています。
第二の人生を地方で始めたいという都市圏の高齢者に向けた制度であり、地方へのひとの移動を促すものということがわかります。
東京圏にはご存知の通り人口が集中。今後10年間で高齢者人口が約175万人増えるという試算もあり、その医療ケアを東京だけでまかなうことが困難になると予測されています。一方、50〜60代では、年齢や性別によっても意見は異なりますが、約3〜5割ほどの人が第二の人生を地方で迎えたいと考えているというデータも。そのため、老後は地方で暮らしたいという人の希望を実現することで、東京圏の高齢化問題を解消しつつ、地方へのひとの移動を促進しよう、というものです。
日本版CCRCは地方活性化に役立つってホント?
でもそれが地方にとってなにかメリットがあるのでしょうか?
高齢者が流入することによって地域創生といわれてもピンときにくいですよね。そこでCCRCと従来の老人ホームを比較してみました。
こうしてみると印象が大きく異なりますね。高齢者は「その地域を盛り上げていく担い手」ということであれば、地方にとってもメリットになりそうです。
日本版CCRC、果たして本当にうまくいく?
しかし、日本版CCRCはまだ構想段階。医療ケアの確保やCCRCを運用できる地域環境の形成、政策・金融支援制度をどうするかなど課題も山積みですが、実現に向け議論が進みつつあります。CCRCは今後の高齢者の暮らしの一形態として選択肢に加わってくるかもしれません。これからも注目していきたいですね。
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この記事の寄稿者
tamago
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。