そもそも胃ろうってどんなもの?
胃ろう(胃瘻)は、病気やケガなどで口や喉などに障害を持っていて「水分や食べ物を飲み込んでもむせてしまう」など食事が困難な患者さんに対して行う処置です。人工的にお腹と胃の一部を切開して、胃の中にチューブを差し込みます。通したチューブによって栄養分が直接取り込まれるという仕組みです。
手術自体は簡単なもので、一度手術をすれば栄養管理がしやすくなり、患者自身はもちろん介護者の負担軽減にも繋がると言われています。
参考:http://www.peg.or.jp/
胃ろうが生まれたのは偶然だった!?
胃ろうの概念は1822年アメリカで銃によって負傷した患者の胃に穴が空いてしまったことがきっかけです。治癒の過程で、偶然、胃ろう状のものが生まれました。その後、1849年にフランスで手術による胃ろう造設が報告されるも失敗。成功したのは1875年のイギリスです。
当時は現在のような手術ではなく、開腹手術だったので患者への負担は大きいものでした。現在の手術方法は1980年のアメリカで行われたものが初めてで、改良を重ね現在の手法が広まりました。
参考:http://www.peg.or.jp/
いざという時のために、本人の意思を知っておきたい
これまでの栄養摂取が難しくなった際に行う処置方法は、点滴か鼻からチューブを挿入し栄養を取るのが一般的でした。しかし、違和感が強いことや寝たきりとなってしまうことから、胃ろうを作る手術が広まってきました。胃ろうは、手術自体が手軽なことと、胃ろうが形成された後は通常の入浴やスポーツなども可能なので介護の負担が軽減するというメリットがあります。
胃瘻の手術自体は難しいものではなく、世間の認知度も高まっています。しかし、現在の日本では終末期の認知症患者など本人の意思確認が難しい状態の場合、本人の尊厳を損なう可能性があるのではないかという問題が手術件数の増加に伴って提起されるようになりました。また、海外では倫理的な考えからあまりポピュラーな処置ではないとも言われています。
簡単な手術だからこそ、本人はもちろんですが、家族を始めとするまわりの人々もどうするべきか考えなければならないのかもしれません。
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この記事の寄稿者
crooque
介護のほんねニュースのライター。話題の介護関連キーワードの中から気になるトピックについて解説します。