都合も予測もつかない介護生活
介護をする中では様々なことが起こり、自分の都合だけでは調整がつかなくなることも多くありました。
仕事の繁忙期に父が体調を崩して入院となったこともありましたし、温泉付きの療養施設を利用することになり送って行ったら、「飽きた、つまらない、もういられない、いつまでここに置いておく気だ」と文句を言いだし、予定を大幅に早く切り上げて迎えに行ったり、予定通りにはならないことばかりでした。
母が人工股関節を入れる手術をすることになり、仕事の繁忙期と重なる数日間の間ショートステイを利用しようと手配しても、2~3日も持たず帰ってきてしまった、ということもありました。
スケジュール調整に神経をすり減らしていた
自分ではなんでもできると思い込み、気が向くと勝手に出かけてしまい、家への帰り方がわからなくなってしまった父親を、帰宅してから探し回ったこともありました。
仕事は何時、何が起きるかわからないので、先のことまでめどをつけて迷惑をかけないようにしておかなければならない。
予定を入れてしまって直前でのキャンセルは避けたいので、友人などとの予定はあまり入れないようにと、いつも思っていました。
夜落ち着いて眠ることもできない毎日
家族と協力し、使えるサービスを探し、時には自費でと調整したりしましたが、こちらの都合よくはいかないことの方が多くあります。
大事な仕事や早く起きなければならないときにも関係なく、夜中に起こされることも、昼夜が逆転した生活のため、生活音が気になり眠れないこと等は日常的に起こります。
新しいサービスを使ったり、更新の手続きのための書類の作成や確認を仕事から遅く帰った後にしたこともありました。
病気ではなく、介護なのだと認識を変えた
旅先で倒れた父の看病から始まった我が家の介護生活ですが、何時からが介護なのか、あまり認識がありません。
そうは言っても、基本は振り回されないように自分の人生も大事にしたい私と母。
父親が病気で倒れ数か月経過したときに、病気ではなく介護が必要な状況になったのだと覚悟し、気持ちを切り替えました。
父親の状態や気持ち、家庭内や職場内の事情も日々変わっていくため、いつも優先順位を考えながら、その場でできることを対応するしかないのです。
だんだんわかってきた父の病気や体調のパターン
そして、だんだんと父の病気のパターンや季節での体調の変化、リハビリやデイサービスを利用し始めるタイミング、ケアマネさん・訪問看護師さん等との付き合い方、得意不得意、地域資源等々、様々なことがわかってきました。
<続く>
この寄稿文は全3回の連載です。
この記事は、doppo の内容をアレンジしてお送りしています
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この記事の寄稿者
佐久間 理央
POLE・STAR株式会社ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。