介護業界にやってきた静かでパワフルな電動バイクとは!? テラモーターズ株式会社 幕内翔篤さんインタビュー

訪問介護 , 宅配食 , 訪問看護 , 介護 , 電動バイク , 社会貢献
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2015.10.24

テラモーターズ株式会社 幕内翔篤さんインタビュー

訪問看護ステーションに導入されるなど、介護業界でも注目されはじめた電動バイクを知っていますか!? 初期コストはかかるものの、とても静かでランニングコストを抑えられるすぐれもの。テラモーターズ株式会社の幕内翔篤さんに話を聞きました。

電動バイク

株式会社テラモーターズ(Terra Motors)
2010年に設立したベンチャー企業。電動バイクや電動シニアカーの開発・設計・販売を行う。設立2年で4000台を販売し、国内シェアトップとして市場開拓に勢いをみせている。

早朝や深夜でも駆け付けなければいけない、そんな時に活躍する電動バイク

テラモーターズ

【中浜】よろしくお願いします!

【幕内】テラモーターズ株式会社の幕内翔篤です。よろしくお願いします!

【中浜】テラモーターズの電動バイクが、訪問介護ステーションに導入されたと聞きました。そんな介護業界にやってきた電動バイクってなんだ!?という疑問で、今回おじゃましております。百聞は一見にしかず、さっそく先ほど、業務用電動バイク「BIZMO(ビズモ)」に乗ってみました。

【幕内】いかがでしたか?

【中浜】めっちゃ静かですね!僕もガソリン車のバイクにはよく乗っていたのですが、この電動バイクは本当に動いているのか不安になるくらい静かで、びっくりしました。

【幕内】ありがとうございます。走り出しはいかがでしたか?

【中浜】アクセル入れたら、今度はパワフルな走り出し。これは初めて乗ったらびっくりの連続でしょうね。

【幕内】電動バイクの特徴を体感していただけてよかったです。ガソリン車のようなエンジンの振動がないため、乗っていても疲れないという声も聞いています。

BIZMO(ビズモ)

【中浜】今回、訪問看護ステーションへの導入は、こういった特徴が決め手となったのでしょうか?

【幕内】はい。決め手となった点は2つあります。ほとんど騒音が出ないという点と、小回りが効いて機動性が高いという点です。一般的な訪問看護は、軽自動車やミニバンのようなクルマを使っていますが、急病などの緊急時に渋滞に巻き込まれてしまったり、訪問先に駐車スペースがなくて近隣の迷惑になったりするという問題があるようです。

【中浜】騒音の問題ってなんでしょう?

【幕内】これも緊急時の話なのですが、早朝や深夜でも駆け付けなければいけないことがよくあるそうです。そんなとき、ガソリン車だとどうしてもエンジン音が気になってしまうという声があったんです。

【中浜】なるほど。確かに、あれだけ静かなら朝でも夜でも気にならなくてよさそうですね。来たのがわからないくらい(笑)

【幕内】そのような魅力をご理解いただき、電動バイクを導入していただけることになりました。

【中浜】電動バイクの導入は介護業界では初めてですよね。

【幕内】はい、介護業界初ですね。今までは新聞配達や宅配ピザといった業界で使っていただいておりました。

【中浜】最近は、宅配食サービスも増えてきていますよね。

【幕内】そうですね、高齢者人口が増えるにつれて、宅食などの高齢者向けサービスも増えています。そういったところに、この電動バイクの魅力をお伝えして、介護業界のお役に立てばいいなと考えています。

2時間の充電で100kmも走れる しかも燃料費はガソリン車の10分の1

電動バイク

【中浜】気になるのは、充電時間と走行できる距離です。

【幕内】さきほど乗っていただいた「BIZMO2」はおよそ2時間の充電で100kmほど走ることができます。

【中浜】2時間って早くないですか?しかも100km。バッテリーって充電にものすごく時間がかかるイメージでしたが、これも驚きですね。

【幕内】2時間で70%くらい一気に充電できます。そこから100%にもっていくには、合計で8時間ほどかかります。満充電で150km、ガソリン車に匹敵する走行距離です。

【中浜】電池切れの問題なさそうですね。

【幕内】電気料金が安くなる夜間に充電するのが一番経済的です。70%以降は、過充電の恐れがあるのであえて充電時間を長く調整しているんですよ。それでも、2時間70%の充電で十分実用的だといえます。

【中浜】経済的には、ガソリン車とはどちらが燃料費が安いんですか?

【幕内】燃料費だけみれば、電動バイクはガソリン車の10分の1にもなります。

【中浜】10分の1ですか!? ランニングコストをかなり抑えることができますね。

【幕内】3年も使っていただければ、ガソリン車よりお得に乗っていただけます。

メリットを感じていただければご購入 徐々に電動バイクへシフトしていくイメージ

【中浜】もとという言葉が出ましたが、値段はどうなっていますか?

【幕内】今回乗っていただいた業務用電動バイク「BIZMO2」は税別43万円です。

【中浜】あれ、高くないですか?(笑)手軽に乗れるからか、高めに感じてしまいます。

【幕内】そうかもしれません。...さきほどの点も含めて、安定性や快適性を体感してもらった上で、長期的に乗っていただけると、お値段以上のメリットを感じていただけるはずです。

【中浜】ガソリン車だと半分くらいの値段で買えますよね。なぜ電動バイクだと2倍の値段になるのでしょうか?

【幕内】実は、電動バイクとガソリン車は、フレームなどの部品はほとんど変わりません。ただひとつ、バッテリーが高価なため、価格に差が出ています。

【中浜】初期コストに関しては、導入を検討される企業の方は気にされませんか?

【幕内】もちろん決して安いものではありません。ただ、いくらコスト削減を頭のなかで唱えていても、実際に乗ってみないとわからないようなコストに対する魅力があると思います。弊社も、すぐにどんどん売れていくものだとは考えていません。今回導入していただいたところも、すべての拠点に置くというわけではなく、まずは4箇所に1台ずつです。その後年内には都内の全ての拠点で導入いただく予定です。まずは、少し試してもらって、メリットを感じていただければ続けてご購入いただいて、徐々に電動バイクへシフトしていくことをイメージしています。

一番の魅力はランニングコスト削減

テラモーターズ

【中浜】業界に限らず、なにが導入の一番の決め手になっているのでしょうか?

【幕内】やはりランニングコストの安さが決め手になっているのだと思います。台数を多く導入すればするほど、燃料費分どんどんお得になっていきます。これは需要が急激に高まる介護業界も一緒で、これから拠点数が増えていくなかでガソリン車を導入すれば、それだけ燃料費がかさんできます。それならば、私たちはぜひ電動バイクをお勧めします。

【中浜】ガソリン代の高騰も気になりますよね。

【幕内】歴史的に見れば、1800年代、電気自動車はガソリン車よりも少し先に開発が始まりました。しかし、開発の難しさとガソリンが簡単に入手できるようになったことで、爆発的にガソリン車が普及していったわけです。そんななか、1970年代にオイルショックなど世界情勢によるガソリン代の高騰が始まり、1980年代には環境問題が意識され始めたこともあり、電気自動車や電動バイクが一気に注目され始めたんです。

【中浜】当時、どういった開発が難しかったのでしょうか?

【幕内】バッテリー性能です。これまでの電気自動車・電動バイクの一番の課題は、走行距離なんです。一回の充電で走れる距離が短く、パワーも出ないことがネックになっていました。しかし、2000年代に技術進み、ようやく実用的な製品が登場し始めています。

【中浜】走行距離はランニングコストにも大きく関わりますよね。

【幕内】電気代の条件はどの製品でも一緒ですから、勝負のカギをにぎるのは走行距離です。私たちの電動バイクは、さきほどのとおり走行距離が圧倒的に長いことを一番の強みとしてご提案しています。

【中浜】実はこんな利点があったということはありますか?

【幕内】東日本大震災のあと、電動バイクがものすごく売れたんです。というのも、震災のためにガソリンの供給も止まってしまって、ガソリン車での配達業務などが当時できなくなりました。そんなとき、電動バイクであれば簡単に充電することができます。電気はインフラのなかでも一番早く復旧するといわれていますから、もしものときも安心ということですね。

人の命を支える・地球に負担をかけない 二つの社会貢献

電動バイク

【中浜】排気ガスが出ないというのも電動バイクの重要なポイントですよね。

【幕内】環境への負担が少ないことは、世界レベルで注目されています。国によっては、ガソリン車を排除する動きもあります。日本でも、2020年の東京オリンピックに向けて、競技施設や選手村のガソリン車をゼロにしようとする話も出ています。

【中浜】企業としても見過ごせない状況になってきているんですね。

【幕内】企業の社会的責任からみれば、ガソリン車を使えば使うほど、排気ガスによる大気汚染や地球温暖化への悪影響を与えてしまいます。そこを電動バイクに変えるだけで、排気ガスがゼロになる。もちろん、介護業界であれば人の命を守って質の高い生活を提供するということが一番の社会貢献ですが、同時に、環境への貢献にもつながります。

【中浜】人の命を支えつつ、地球にも優しい。なんかカッコイイです!

【幕内】電動バイクはまだ開拓が進んでいない小さな市場です。まずは、こちらから説明に行って、電動バイクの魅力を知ってもらうところから始めないといけません。関心をお持ちの方に先取りして使ってもらい、徐々に社会になじませていけたらいいなと思います。

【中浜】地域包括ケアシステムが強調されるこれからの介護では、地域社会でできる限り自宅で過ごせるような社会づくりが必要になります。訪問医療・介護・リハビリの需要もどんどん増えていくなかで、24時間対応できるような仕組みづくりはとても大切。そのひとつとして、電動バイクという選択自体が増えるのは、介護業界にとっても、生活者にとっても、とても魅力的なことではないでしょうか。

【幕内】訪問介護業界は電動バイクの大きな市場になると予想しています。介護の目線に寄り添って、現場の声を聞きながらさらなる開発を進めていきたいと思います。

編集者からの一言
訪問介護・看護の拡大が求められる現在。ご近所の方の迷惑を気にせずに、どんな時間にも駆けつけられる電動バイクは新たな選択肢かもしれないですね。静かさとパワーを体感してみてはいかがでしょうか。

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寄稿者

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中浜 崇之

二代目編集長。介護福祉士、ケアマネジャー。2014年に世田谷デイハウスイデア北烏山を立ち上げる。2010年より「介護を文化に」をテーマに介護ラボしゅうを立ち上げ運営中。(http://kaigolabo-shuu.jimdo.com/