今、高齢の受刑者が急増している
先日は「刑務所個室にベッドもテレビも 高齢化考慮し旭川で導入(朝日新聞より)」というニュースが流れ、今日は「犯罪を繰り返す高齢者 ~負の連鎖をどう断つか~(NHKクローズアップ現代より)」という話題がテレビで放映されました。刑務所に収監される高齢者の数は、年々増えているといいます。その結果、刑務所内は介護施設さながらの状況となっているそうです。
そもそもどうして高齢者は犯罪を犯してしまうのでしょうか?
出典:http://www.moj.go.jp
背景にあるのは、「貧困」と「孤独」
貯金が100万円未満なのは、高齢者全体の約6%。月々4万円未満の年金で生活しているのは、高齢者全体の約8%。高齢者はお金を持っていると思われがちですが、実際には、お金を持っている人と持っていない人の差が開いている(貧富の差が開いている)状況です。そのために、貧しさから万引きなどの犯罪に手を染めてしまう高齢者が増えています。そして、一人暮らしをしているのは、高齢者全体の約16%。もちろん、離れていても知人や家族と接する機会がある方もたくさんいらっしゃいます。一方、本当に孤独で寂しさと戦いながら暮らしている高齢者も多く存在しています。刑務所を出ても行く当てがない、だからまた犯罪を犯して刑務所に戻ってきてしまうのです。
出典:http://www8.cao.go.jp/
出典:http://www.mhlw.go.jp/
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「貧困」で「孤独」なのは高齢者だけではない!?
若い世代では、非正規雇用の人がどんどん増えていっています。そして上昇している未婚率。また、子どもの6人に1人が貧困というデータもあります。核家族化が進んで兄弟の数が減り、両親の離婚に直面することも。一人でいる時間が多い子どもたちもたくさんいることでしょう。
つまり貧しくて孤独なのは高齢者だけではない。犯罪を犯す人が増えるのは、若い世代や子どもたちも潜在的に抱えている問題なのです。
出典:http://www.mhlw.go.jp/
出典:http://www.gender.go.jp/
出典:http://www.nhk.or.jp/
負のループは全世代に広がるかも・・・
高齢者の中に「貧困」と「孤独」を抱えている人が多い、ということは、高齢受刑者の増加によって世間から着目されるようになりました。しかし、若い世代や子どもたちは・・・?もしかしたら、「貧困」と「孤独」を抱える高齢者たちと同じような負の連鎖に入ってしまう人が、これから全世代で増えるかもしれない。そうすると日本の治安は今までのままとはいかなくなるかもしれません。犯罪が増えればその分、税金や労働力はもっと治安維持のために使われるようになるでしょう。そうなれば、今よりさらに社会保障に使えるお金とパワーがなくなってしまいます。
貧富の差が開き、独り身の人が増えること。それ自体が大きな問題につながるかもしれないということを、私たちは覚えておかなければならないのではないでしょうか。
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この記事の寄稿者
まーしー
介護のほんねニュースライター。とある町の公式キャラとの情報もあるが、定かではない。